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ThinkPad i Series 1800(2655-P3J)

ThinkPad i Series 1800(2655-P3J)

2001年06月25日 17時05分更新

文● 鈴木雅暢

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ThinkPad i Series 1800(2655-P3J)

日本アイ・ビー・エム

オープンプライス(IBMダイレクト価格:19万9800円)

「ThinkPad i Series 1800」は、日本アイ・ビー・エムの「ThinkPad i Series」の主力となるA4ノート。この夏はボディカラーがブラックになるとともに、ビジネス向けTシリーズと同じA4スリムな筐体を採用している。

ThinkPad i Sereisの主力モデル
スリムな新筐体にリニューアル

天面。従来の「ソフトブラックメタリック」はではなく、ビジネス向けThinkPadの黒ともまた違った“ツヤ消し黒”に塗装されている。
 日本アイ・ビー・エムのコンシューマ向けノートPCブランド「ThinkPad i Series」のラインナップのうち、A4ノートは「1200シリーズ」と「1800シリーズ」の2つ。この2つのターゲットセグメントは近年あいまいになってきていたが、2001年夏モデルからは1200シリーズは完全にバリューセグメントに位置付け、この1800シリーズを主力として展開していくこととなった。1800シリーズには3モデルが発表されているが、ここではもっともお買い得感の高いエントリモデル「2665-P3J」をレビューする。



高級感を感じさせる前面。後面にはインターフェイスがズラリ並ぶ。右から、シリアル、パラレル、CRT、モデム、LAN、ACアダプタ、USB。塗装された天面と成形色そのままの底面との黒の違いもわかる。
 この夏からハードウェア仕様も一新。従来の巨大なオールインワン筐体ではなく、ビジネス向けThinkPadの最高峰「Tシリーズ」と同型のA4スリム筐体を採用している。最も大きな違いは内蔵FDDの有無。最近はビジネス向けの「Aシリーズ」も廉価モデルからこの筐体(FDDレス)に移行してきており、ユーザーがFDD内蔵にこだわらなくなってきているということだろう。



左側面にはPCカードスロットとオーディオI/Oがある。PCカードスロットはTypeIII用のスロットで、TypeIIのカードも1枚しか入らない。右側面には交換式のドライブベイ「ウルトラベイ2000」がある。
 もちろん同型とはいえ、フラッグシップモデルのTシリーズとまったく同じというわけではなく、塗装の質感やインジケータパネルの材質、マザーボードなど、細部を見れば随所にコストダウンの形跡が見られる。それでも、カッチリとタイトに組まれた頑強なボディと、抜群に打ちやすいキーボードは健在だ。PCとしての基本能力は前モデル(2628-IAJ)より格段に向上し、重量は従来の3kgから2.5kgへ、500g軽量化されている。さらには筐体色もややグレーがかった「ソフトブラックメタリック」からピュアブラックに変更。天面とパームレストは、ビジネス向けThinkPadとは一味違うツヤ消し黒の塗装となっている。シリーズネームこそ同じ“1800”ではあるが、中身は従来モデルとはまったく別物だ。



書き込み8倍速/書き換え4倍速のCD-RWドライブを標準で装着している。ビジネス向けThinkPadと共通のベイ規格「ウルトラベイ2000」に対応しており、DVD-ROMドライブなど、豊富なオプションに換装できる。ただしホットスワップには対応しておらず、ドライブの交換時には電源を切る必要がある。
 CPUはMobile Celeron-750MHz。メインメモリは標準で128MB搭載。メモリソケットは1つ空いているが、チップセット(440MX)の仕様により最大搭載容量は256MBである。液晶サイズは14.1インチ、解像度は1024×768ドット。ビデオチップはATIの「RAGE Mobility-M」(ビデオメモリ4MB内蔵)をPCI接続している。書き込み8倍速/書き換え4倍速のCD-RWドライブを標準搭載。ビジネス向けThinkPadと共通のベイ規格「ウルトラベイ2000」に対応しており、DVD-ROMドライブ、セカンドHDDアダプタなど、豊富なオプションと交換して使用できる。なおFDDは同梱しないため、必要な方はオプションで用意されている“USB接続のFDD”(9200円)を別途購入することになる。



本体にIEEE1394ポートはないが、IEEE1394 PCカード(CardBus対応)を同梱。カード側のコネクタは独自形式で、4ピン、6ピンの専用ケーブルが標準添付されている。
 通信機能は、56kbpsモデムに加え、LANを標準で備えている。また、IEEE1394ポートは本体に内蔵せず、TypeIIのPCカード(CardBus対応)で実装する。ソフトウェアに関しては「Office XP Personal」はじめ、実用からホビーまで盛りだくさん。DV編集ソフト「Panasonic MotionDV STUDIO」やオリジナルCD作成ソフト「Easy CD Creator」「DirectCD」など、購入後すぐに使いはじめることができる。



抜群の打ちやすさを誇るキーボード。キーピッチは19mm、ストロークは3mmで、タッチはやや柔らかめだが、強くタイプしてもたわまない頑丈なつくりだ。配列は、ThinkPad伝統の7段配列で「Windowsキー」「アプリケーションキー」はない。暗がりでの操作時にキートップを照らし出す「キーボード・ライト機能」を装備する。
 他社のA4ノートによく見られる、音楽CD再生などのワンタッチボタンなどはなく、コンシューマ向けA4ノートとしては機能的に非常にシンプルなものとなっている。といっても、PCとしての基本能力には優れており、20万円以下のノートPCとは思えない品質を備えている。伝統のブランドThinkPadの実力をしっかりと体感できる質実剛健なノートブックと言えよう。

 なお、この夏モデルでは、エントリモデルの「2655-P3J」が5月23日に先行して発表され、6月12日にミッドレンジ「2655-P7J」、ハイエンド「2655-PAJ」の2モデルが追加発表された。後者2モデルの外観はP3Jとほぼ同じだが、内部アーキテクチャは異なる。チップセットに440BXを採用するため搭載可能な最大メモリ容量が512MBに増えたほか、ビデオチップもAGP接続の「Savage IX/8」(8MB)にパワーアップしている。また、PAJは、30GBの大容量HDD、ThinkPadとして初めてとなる“CD-RW+DVDのコンボドライブ”を搭載するなど、豪華なスペックとなっている。CPUはどちらもMobile PentiumIII-750MHzで、標準価格はオープンプライス。IBMダイレクトの価格は、P7Jが21万9800円、PAJが24万9800円となっている。


ThinkPad i Series 1800(2655-P3J)の主なスペック
CPU Mobile Celeron-750MHz
メモリ 128MB
液晶 14.1インチ
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 20GB
CD-RW R8倍速/RW4倍速/CD24倍速
通信 モデム/LAN
サイズ 305(W)×254(D)×35(H)mm
重量 2.5kg
OS Windows Millennium Edition
Officeアプリ Office XP Personal

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