今年春から日本アイ・ビー・エムのコンシューマ向けThinkPadを総称するブランドとなった「ThinkPad i Series」。ThinkPad i Series 1800は、スペック的にはシリーズ最上位となるオールインワンノートPCだ。スペックや機能の面では、元祖i Seriesとも言える1400シリーズの後継ともいえそうなこの1800だが、よく見るとかなりの部分で変化が見られる。
ミレニアムコンセプトを受け継ぐ
オールインワンi Series
まずは、筐体。塗装の色こそi Series独特のソフトブラックメタリックとなっているが、材質、形状ともにビジネス向けのThinkPad A20シリーズとほぼ同じものを利用している。つまり、1200シリーズや従来1400シリーズのようなコンシューマ用に特化した設計のモデルではなく、1124や1620などと同様の、ビジネス向けThinkPadをベースにしてコンシューマ向けにアレンジしたタイプの機械となっている。
これに伴い、キーボードがWindwsキーやアプリケーションキーがない7段配列のものになっているほか、1400シリーズの目玉の1つであった「メディアセンター」もなくなったことになる。メディアセンターは、OSを介さず(つまりPCの電源がオフであっても)ダイレクトにCD-ROMドライブを操作して音楽CDの再生や音量コントロールができる便利なものであったが、IBMの調査によれば思ったほどニーズはなかったということで、特に搭載にはこだわらなかったようだ。 本機のベースとなっているのは、ThinkPad A20シリーズの中でもコストパフォーマンスを重視したモデルであるA20eだと言えるだろう。このA20eを含むミレニアムシリーズでは、どのThinkPadも同じようなデザインを採用することで、同じ位置に同じ機能があり、同じような使いやすさで操作できることをコンセプトとして掲げており、加えて、使用できるオプションが共通化が図られているという特徴がある。
さて、本機のスペックを見ていこう。CPUはMobile Celeron-600MHzを採用。メインメモリ容量は64MBだ。メモリソケットは背面に2つあり、そのうちの1つに64MBのメモリモジュールを装着している形。メモリソケットは128MBのモジュールに対応しており、最大搭載可能容量は256MB。その場合は標準で装着されている64MBモジュールと128MBモジュールを交換することになる。HDD容量はたっぷりと20GB搭載する。ビジネス向けThinkPadに共通してみられるようにHDDは、HDDパックに収められ、取り外しが容易なように工夫されている。
液晶モニタは14.1インチのTFT液晶、最大解像度は1024×768ドット。コンシューマ向けのオールインワンノートとしては一般的な仕様だ。ビデオはATIの「Rage Mobility-M」だが、チップセットがAGPグラフィックスをサポートしない440MXであるためPCI接続となっている。チップ内に4MBのビデオメモリを内蔵しており、外部CRT接続時には最大で1600×1200ドット/フルカラー表示が可能だ。
天面。i Series共通の独特のカラー=ソフトブラックメタリックに塗装されている。 |
裏面。メモリソケットは右側にある。左側にも開くことができるフタが見えるが、これはMiniPCIスロット用のもの。標準では56kbpsモデムのカードが装着されているが、これをモデムとLANのコンボカードなどに交換すれば背面のLANポートが有効に機能することになる。 |