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米イーストマン・コダック社会長兼CEOが来日――デジタル事業は25%の伸び

2001年06月14日 22時59分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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コダック(株)は14日、米イーストマン・コダック社会長兼CEOのDaniel A. Carp(ダニエル・A・カープ)氏の来日に伴い、コダック社の近況報告会を都内ホテルで開催した。

米イーストマン・コダック社カープ会長兼CEO
米イーストマン・コダック社会長兼CEOのDaniel A. Carp氏

Carp氏は、会場に集まった関係者に対し、同社の事業活動について説明した。「コダックは将来に向け発展していく。日本だけでなく最近は米国も景気が良くないが、景気が回復すればビジネスはさらに拡大するだろう」

「デジタルイメージングはビジネスを広げる。昨今われわれはデジタル化に力を入れている。デジタルカメラ事業の成長率は80%だ。このデジタル戦略の成功はコダックの歴史に残るだろう。将来的にはデジタルイメージと紙写真との区別はなくなると考える」

「また、別なトレンドも生まれてきた。企業は、製品を売る立場からシステム/サービスを売る立場に変わってきている。例えば、デジタルカメラで写真を撮影すると、印刷するためにプリンターが欲しくなる、ソフトも必要になる。さらにはコンシューマーサービスやプリントサービスのニーズが高まっていく」

「さまざまなECサイトに存在する10億枚のデジタルイメージのうち、75%はコダックの技術で加工されたものだ。デジタルイメージはECの成長に欠かせない。またデジタルイメージはコミュニケーションの強力な手段となる」

「デバイス市場、サービス&メディア市場、インフラ市場の3市場で構成される“INFOIMAGING”(イメージと情報の融合を表わす造語)市場には、コダックがもっとも浸透している。3市場すべてに対し製品/サービスを提供しているのはコダックだけだ」

INFOIMAGING市場規模
INFOIMAGING市場の規模

「デバイスとは、デジタルカメラやスキャナー、プリンター、現像機、ディスプレー技術などを含む。有機LED技術は現在複数のメーカーにライセンス提供しており、2005年には30億ドル(約3650億円)規模の市場になるだろう。サービス&メディアは、ウェブ上での写真コミュニティーやプリントサービス、フィルムや印画紙などだ。インフラ事業はこれらすべての製品/サービスをつなぐものだ」

同社の製品とサービス
同社が提供しているINFOIMAGING市場向けの製品/サービス
コンシューマーイメージング感度
コンシューマー向けイメージングの感度が向上したことを示す例

また同氏は、5月にコダックが日本でも発表した『Kodak mc3(コダック エム・シー・スリー)』などデジタルカメラの新製品についても紹介した。「初心者がデジタルイメージを利用するのは容易ではない。そこでわれわれはデジタルカメラ用ドッキングステーションを実現した。デジタルカメラ本体をドッキングステーションにセットするだけで、接続されたパソコンに撮影画像をアップロードできるほか、プリンターに接続すれば直接プリントできる。さらにはオンラインプリントサービスを利用しての印刷も可能だ。また『mc3』は究極の若者向けポータブルマルチメディアデバイスだ。このような革新的な製品を投入することで、デジタル写真市場でトップにいることが可能となる」

同氏は、同社のコンシューマー向け事業の2000~2005年における年間平均成長率を、デジタルが15~25%、銀塩/感材が2~4%、計5~7%としている。また、企業向け事業の年間平均成長率はデジタルが10~16%、銀塩/感材が0~マイナス2%、計4~6%としており、コダック社全体の2000~2005年における年間成長率は、デジタルが12~20%、銀塩/感材が1~2%、計5~7%と見込んでいる。

同氏は、今後の同社のチャレンジとして、コスト削減と在庫の削減を行ない、各種資源の集中投下を図るとしている。また、さらなる顧客満足度の向上に努めるという。同氏は、「デジタル画像をエンドユーザーが便利に使えれば、デジタルの持つ潜在エネルギーが爆発する。デジタル化により人々はもっと写真を撮るようになるだろう」としている。

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