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悲劇のCPU・Pentium Proは復活できるか!? 前編

2001年05月26日 23時27分更新

文● 水野

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【その4】IBM製サーバケース

 そのまま大通りを北上、露店を覗く……必要もなく出くわした、「どん!」という感じで路上を占拠していたIBMサーバケースたち。電源付きケースにマザーボード付き、中央下はSocket 8、中央上はSocket 7デュアルマザーボードとなっている。グラムいくらで考えれば非常にお買い得である。
 思わず、「兄さんこれ1包みよろしく」……と言いそうになった。が、デカい。さすがサーバケース、とにかくデカいのだ。こんなの買ってどうやって編集部まで持ち運ぶのか。車なんて用意しているわけがない。一応店番のお兄さんに聞いてみると「発送はできますが……?」とのこと。しかしだとしても、今のちらかり放題の編集部にこんなデカブツを置くスペースなどあるのか。我に返ってボツとした。賢明であったかもしれない。



【その5】Pentium Pro搭載FMVとマザーボード込みケース

 ここで、「ペンプロって言えば、確かあそこにもあったよな」と思い出し、ただちにもう1つの通りへ入り、北端に近いジャンクショップへ。
 やはりあった。こちらも上のサーバケースと同様、ケースとマザーボードのみで後はドンガラ状態保証なしというシロモノ。おそらく企業向けモデルだろう。付いていたCPUやパーツ周りはどこかに剥ぎ取られてジャンクでバラ売り、というところか。
 ネタとしてはイマイチインパクトに欠けるものの、これや上のサーバケースのみならず、今回妙に目に付いたのがPentium Pro関連。
 Windows NT3.51の登場と共に企業や官公庁、大学で大量に導入されたものが、新時代の訪れと共に退役を迎え、ドナドナよろしく次々とジャンク市場に売り払われていく……そんな図式が目に浮かぶようだ。



【その6】怪しいマザーボード、そして……

 さて、「これは、今のジャンクのトレンドはPentium Proか!?」とそんなことを考えながら、そろそろネタ探しを切り上げるつもりで最後にZOA 秋葉原本店の北側・末広町よりの薄暗いガレージショップに入ってみる。
 倉庫にスチールの棚を置き、通路を「コ」の字型に区切っただけの店内。その一番奥、棚も商品も少々埃をかぶりなんだか空気までよどんでいそうな雰囲気の一角で、地べたに放っぽり出されていた段ボール箱が右の写真だ。中にはマザーボードがいっぱい。最近のAthlon用マザーボードもあれば、「あのーアナタ、フォームファクタは何? ていうかどう見てもATXでもATでもNLXでもFlexATXでもないんですが。ヘンなスロット付いてるしアナタどこから引っぺがされて来ましたか」なとても怪しげなものまで、1000円か2000円というぞんざいなタグを付けられて詰まっている。
 そんな中をがさがさとあさっていると、唯一CPUとCPUクーラーが付いた状態のマザーボードを発見。値段が付いていないのが不気味だが、よくよく見れば、やけに大柄な山洋製クーラー、長方形のCPUソケット。つまりこれはPentium Pro付きなのである。CPUやマザーボード単体でならそこいらのショップで売っているが、全部セットというのは珍しい(単に外して売るのが面倒臭かったんじゃないか、という気もする)。いずれにせよ、この箱の中の他のマザーボードと同じ程度の値段だったらこれはお買い得である。
 とりあえずお店の人っぽい人を探し出して詳細を尋ねてみようとすると、「それはウチの売り物じゃないから向こうのレジで聞いて」とのこと。思わず「はぁ?」と聞き返すが、なんと「コ」の字の並行二辺がそれぞれ別の店舗だというのだ。
 いよいよもって怪しい営業形態である。気を取り直して指されたレジに持っていって「これ動くんですか?」と聞いてみると、「動くとも動かないとも……でもたぶん動く」なんていう、いかにもなお答え。聞いた私が愚かでございました。で、お値段は?「んー……2000円でいいよ」
 ハイ買わせていただきます。
 おそらく退役となったPentium Proマシンからとっ外してそのまま売り物にしたに違いないし、ならば正常動作する可能性も高い……のではないだろうか。だと思うんですけど。だったらいいなあ……ともかく、ここまで揃っていれば後は適当にドライブ類を足してやれば1台出来上がりである。
 「最近多く出回っているPentium ProとSocket 8マザーのジャンクはちゃんと動くのか!? 読者に代わって大チェック!」今回のお題はこれに決定!
 ……当然、今回も自腹である。



モノはこれ、起動実験は次回を待て!

 というわけで、これが今回購入したCPU/CPUクーラー付きPentium Proマザーボード、2000円ナリである。
 SIMMソケットは6本で、拡張スロットはPCI×4、ISA×4。フォームファクタはATXで電源コネクタがAT/ATX両対応というのが何気にポイントが高い。確かTyanにこんな感じのSocket 8マザーがあったはずなので、その辺りだろうということにしておこう。お店での扱われ方のぞんざいぶりからして使えるかどうか非常に怪しいのだが、とりあえず外から見る限りではどこかがダメになっているという様子はない。
 今回はとりあえずここまで。次回はとにもかくにも起動テストし、もし実用可能ならば、これで適当に1台マシンをでっち上げるのが目標である。
 請うご期待!
 たぶん次回はそれほど間が空かないか……と……。

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