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PCDJ Digital 1200 SL

PCDJ Digital 1200 SL

2001年01月14日 17時57分更新

文● 石嶋由美子

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 それでは、実際のDJと同じ流れでプレイしてみよう。まずは演奏の準備、音源の確保を行う。手持ちのCDをCD-ROMドライブに入れ、「RIPP」ボタンを押すと、CDの内容がリストアップされる(CDdbから曲名/アーティスト名情報をダウンロードする機能も持つ)。続いて、好みの曲を選択し、「Grab to MP3」ボタンを押せば、CDからダイレクトにMP3ファイルへのエンコードが実行される。このとき、「VBR(Variable Bit Rate)」の項目で音質設定を変更することで、エンコード時間の短縮やファイル容量の圧縮も可能になる。DJは音源が命。この要領でどんどん音源を増やしていこう。また、DJは常に自分がどんな音源を持っているか把握し、必要なときにすぐに目的の音を取り出せなくてはならないので、本ソフトでは「マイレコードケース」というデータベース機能で音源を管理するようになっている。ここでは、音源の視聴や、音源の登録時に設定したアーティスト名、タイトル名、BPM、コメント等での検索や並び替えが可能で、データのすばやい抽出の役に立つ。ストックできるデータ数には制限はない(HDDの容量に依存)。

「マイレコードケース」の編集画面。これは、MP3ファイルをグループ化しているところ。DJがレコードやCDを持って歩くように、MP3データをここに詰め込んで分類・整理しておく、というわけだ。

 音源の準備ができたら、いよいよ実際のプレイだ。まず、ミキサーのクロスフェーダを一番左にセット。続いて、レコードケースから最初に再生するデータを「PLAYER A」(左側のMP3プレーヤ)にドラッグ&ドロップし、読み込み完了。すると、MP3プレーヤに、現在選択されている曲の曲名、アーティスト名、BPMなどが表示される。続いてPLAYER Aの「PLAY」ボタンを押してMP3データの再生が始まったら、その間に次の曲を「PLAYER B」(右側のプレーヤ)にロードする。このときMP3プレーヤは、曲のどのあたりを演奏しているかを、数値(1/100秒単位)と進行グラフの両方で表示する。進行状況を楽にチェックできるので、ジャストタイミングでのミックス操作が可能だ。この情報を見ながら2曲目に切り替えたいポイントに到達したら、クロスフェーダを左から右に動かし始めて、「PLAYER B」の再生ボタンを押す。そのままクロスフェーダを完全に右まで移動すれば、曲の切り替えは完了だ。マウスだけでの操作だと、この部分の操作は実際にやってみるとかなりバタバタしてしまうので、マウス+キーボード(キーカスタマイズも可能)で操作するなど、自分流の手さばきを確立するように心がけるといいだろう。また、日本国内での発売予定は未定だが、本ソフト用の専用操作パネル(インターフェイスはUSB)も用意されている。より本格的にDJプレイをやるならぜひとも使ってみたいデバイスだ。

 操作方法は以上のように非常に簡単なのだが、MP3ファイルを2つ同時に再生する、クロスフェーダでミックスする、という一連の作業は思った以上にマシンパワーを必要とするようだ。マニュアルの最低推奨環境は、CPUがPentiumII以上またはK6-300MHz以上、メモリが32MB以上となっているが、Mobile PentiumIII-650MHz、メモリ64MBのノートPCでは、クロスフェーダを操作している最中にスワップが発生して再生が途切れ途切れになってしまうことがある。メモリについては、128MB以上用意したいところだ。

手際良く次の曲をプレイヤーに準備し、見事にクロスフェードする「オートプレイ」には、思わず拍手を送ってしまった。

 また、自分でリアルタイムにミックスする以外にも、「ウェイトリスト」を作成して、プログラム演奏をさせることも可能だ。リストに再生したい曲を追加していき、「Auto PLAY」ボタンを押せば、選択した曲を次々に、しかもちゃんとクロスフェードをかけて連続自動演奏してくれるのだ。それぞれの曲間をフェードイン、フェードアウト、クロスフェードでつないでくれるので、単純にMP3データを再生していく一般的なMP3プレーヤとはかなり気分は違う。DJツールとしてだけではなく、MP3プレーヤとしても楽しめる機能だ。

 機材を揃え、大量のCDやレコードを集めて、それらをいつも持ち歩き、練習を重ね……という、DJを目指す人が必ず通る「道」の一部分を簡略化し、マウスとキーボードを使って手軽かつコンパクトなシステムでDJプレイが楽しめるのが本ソフト。完全日本語マニュアル付属パッケージの価格は2万6700円で、1月下旬発売予定だ。なお、本ソフトの機能を一部省略した廉価版「PCDJ Digital 1000 SL」も発売が予定されており(時期未定)、こちらは8000円前後になる予定だ。

製品名 PCDJ Digital 1200 SL
価格 2万6700円
対応OS Windows 95/98
発売元 (有)シムコム
問い合わせ先 03-3638-3304
URL http://www.digitaldj.cc/

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