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インターネットのトラブルは“インターネットホットライン連絡協議会”へ!

2000年12月23日 01時25分更新

文● 編集部 佐々木千之

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22日、電子ネットワーク協議会(※1)の呼びかけで、“インターネットホットライン連絡協議会”の設立準備会合が都内で開催された。トラブルに遭遇したインターネットユーザーからの問い合わせに適切な対応ができるよう、各種の団体が横方向のつながりを持とうというもので、準備会合にはインターネットプロバイダー、キャリアー、行政機関、メーカー、弁護士、警察など50を超える団体(※2)が出席した。

※1 電子ネットワークなどの振興を目的として'92年に発足した任意団体。ネットワークサービス事業者、コンピューターメーカー、アプリケーション事業者など法人会員73社や、協賛自治体24団体などから構成されている。

※2 NTT東日本(株)、経済企画庁国民生活安全局、警視庁 ハイテク犯罪対策総合センター、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会、通商産業省 産業政策局、東京都庁生活文化局、日本電気(株)、ニフティ(株)、(社)日本音楽著作権協会、(社)日本広告審査機構、(財)日本消費者協会、(財)日本ユニセフ協会、(財)ニューメディア開発協会、(株)三菱総合研究所、第二東京弁護士会など(参加団体より抜粋)。

この会合ではまず、呼びかけを行なった電子ネットワーク競技会専務理事の国分明男氏からインターネットホットライン連絡協議会の設立趣旨が示された。

電子ネットワーク競技会専務理事の国分明男氏電子ネットワーク競技会専務理事の国分明男氏

インターネットの普及に伴って発生している、著作権侵害、プライバシー侵害、悪質商法、有害情報などの社会問題に対して、ユーザーから寄せられる相談の窓口としてはインターネット関連各企業や行政の消費者相談窓口がある。しかし、これらに持ち込まれるトラブルは、その評価や対処が困難なものが含まれており、相談を持ち込まれる側の企業や団体でも具体的に、どこの誰に何を相談すべきかがわからない場合があるのが実状という。ユーザー側から見ても、どこに相談し、何を伝えたらよいかわからないという問題がある。また、違法情報や有害情報を発見した場合でも、どこにどのように通報するかといったことも十分に伝わっていないという。

こうした状況で、消費者であるインターネットユーザーがより安心して利用できる環境の実現を目指して、ユーザーからの相談や通報を受付窓口間でたらい回しにしている状況を改善するため、行政、企業、消費者団体などの横のネットワーク作りを目標に掲げている。

続いて、警視庁ハイテク犯罪対策総合センター、国民生活センター相談部、ニフティ(株)法務・海外部、通商産業省産業政策局消費経済課消費者相談室の各代表者が“関連組織における相談・苦情処理の現況と課題”についての報告を行なった。消費者からの相談件数についてはいずれの窓口においても、2000年は'99年と比べて2~3倍と大幅な増加となっているという。例えば警視庁ハイテク犯罪対策総合センターに寄せられた相談では、'99年1年で1090件だったものが2000年は11月末までにすでに3645件に達しているという。特に昨年は20件しかなかった、インターネットオークションに関する相談が420件と20倍にもなっていることが報告された。

また、相談する側のみならず、相談される側の窓口でも知識や理解の不足、あるいはお互いの知識のレベルの差によって、適切なアドバイスが行なわれていない状況も報告された。未成年者(子供)がインターネットで何かをして、大きな金額をクレジットカードに請求されたと親が相談に来たが、親は子供が何をやっているのかまったく知らなかった例や、“初心者でも簡単にインターネットが楽しめる”というISPの宣伝につられて入会したが、インターネットどころかパソコンもよくわからないようなユーザーで、ISPの窓口でパソコン用語で説明されて、まったく理解できずにいた例があるという。

会合ではこのほか、協議会の名称を“インターネットホットライン連絡協議会”とすることや、活動方針についての大筋についての決定が成された。当面の活動として、互いの組織の活動内容、連携、通報の状況についての現状把握と、インターネット関連の相談・苦情ポータルページの設置があげられた。インターネットホットライン連絡協議会自体は、22日から2001年1月10日まで、広く参加組織・団体の募集を行ない、1月末から活動を開始する。

電子ネットワーク協議会事務局長の太田俊史氏は、「ほかの団体がどのような活動を行なっているのか、あるいはどんな団体があるのかさえお互いにわからない状況を改善し、相談する消費者にとっても相談される側にとっても有用な情報を提供していきたい」としている。

インターネットが広く普及すればするほど、何をどう聞いたらいいか、どこに相談したらいいかわからないというユーザーは増加する。そうしたユーザーに対しての道しるべとして、インターネットホットライン連絡協議会の活動は注目に値する。

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