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PRONOTE FG CF-M34

PRONOTE FG CF-M34

2000年12月22日 19時19分更新

文● 内田

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本体左右側面。写真では開いてあるが、ポート類はすべてゴム製のパッキンが取り付けられており、これらの隙間から水滴や粉塵が本体内に進入するのを防いでいる。

 なんといっても本機の最大の特徴は、非常に頑丈な設計になっていることである。筐体はアルミニウム合金で、内部の「柱」や「梁」のレイアウトも衝撃に強い設計に徹底的にこだわって作られている。また、液晶パネル部分は、パネル背面に通された「インターナルダンパー」という支柱や衝撃吸収素材により保護されており、外部から加わる曲げる・ひねるという力に強い構造だ。PCパーツの中でも特に衝撃や振動に弱いHDDについては、スポンジ状の特殊な衝撃吸収素材とスチールケースに覆われており、比較的コンパクトなサイズに納まりつつも耐衝撃性能は高い。さらに、トラックパッドや液晶パネル周囲、各種ポート類は防水パッキンで覆われ、接点端子部分の改良などが施された新開発のキーボードを採用するなど、防滴・防塵処理も非常に強固だ。例えば、キーボード上に水を大量にこぼしたとしても、キーボードやマシンの回路部分が破損してしまうようなことがない設計である。ただ、この防滴・防塵処理のために筐体には排気口を開けることができず、従ってCPUファンの取り付けができないので、採用可能なCPUに限界があるのが弱点でもある。しかし、本機の特性を考えれば、スペックダウンよりも堅牢性を重視するのは当然のことといえるだろう。

 これらの対衝撃・対振動性能、防水・防塵性能については、MIL(Military Specifications and Standards:アメリカ国防総省の軍事備品に採用する際に行われる性能試験の一種)やJISで定められた各種性能試験によって証明されている。簡単に本機がパスした試験を紹介すると、(1)90cmの高さから合板への自由落下(非動作時に、本体の各辺・面・角に対して各1回ずつ合計26回の落下試験を実施。MILおよびJIS規格)、(2)持ち運びおよび車での移動を想定した振動負荷(非動作時の試験。MILおよびJIS規格)、(3)毎分1mmの降水量で本体上方から10分間水を滴下(JIS規格)、(4)JIS規格で定められた条件の粉塵の中に本機を一定時間設置、というものだ。これらの試験の結果、いずれも「機器の動作に支障なし」という優秀な成績を収めており、一般のノートPCでは頑丈さに不安を感じてしまうような、工事現場や外回りのメンテナンス業務、車載使用などにもってこいのマシン、というわけである。また、これらの試験結果を踏まえて、先行して本機が発売されている北米では警察にも納品されており、パトカーやパトロール用自転車への車載が行われるなど、過酷な使用条件下ですでに活躍しているそうだ。



本体背面。ここには片手で持ち運ぶのに便利なハンドストラップが装備されている。頑丈な本体なので、ケースなどに入れずに野外を持って歩けるだろう。ハンドストラップは、肩掛け用のショルダーストラップと交換可能(標準添付)。

 ラインナップは、Windows 98 SEモデルとWindows 2000モデルの2種類で、価格はいずれもオープンプライス。「パナセンス」でのダイレクト価格は、Windows 98 SEモデルが27万9800円、Windows 2000モデルが29万4800円となっている(11月20日より予約がスタートしている)。CPUなどのスペックだけ見ればかなり高価な製品ではあるが、頑丈さにおいては、現役ノートPC中最強といって過言ではなく、さらに、一般流通にこれまで乗ることがなかった「超」特徴的なマシンでもある。これを個人でも購入できるとなれば、野外などでのハードなPC利用を考えているユーザーだけでなく、個性派ノートPCを物色中の人にも、かなり魅力的な1台だろう。

CPU Mobile PentiumIII-400MHz
メモリ 64MB
液晶 8.4インチTFT(タッチパネル)
解像度 800×600ドット/フルカラー
HDD 10GB
通信 モデム、LAN
サイズ 229(W)×188(D)×43(H)mm
重量 1.7kg
OS Windows 98 SE
Officeアプリ

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