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シーマン for Windows

シーマン for Windows

2000年12月19日 21時46分更新

文● 中村聖司

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 (株)ビバリウムは、1999年7月にドリームキャスト向けに発売された“しゃべる”ペット育成SLG「シーマン」のWindows版の開発を発表した。
 ドリームキャスト版の「シーマン」(開発ビバリウム、販売セガ)は、同梱のマイクで顔の付いた魚に話しかけ、ペットとの不思議なコミュニケーションを楽しむゲームとして人気を集めた。「シーマン for Windows」は、ドリームキャスト版の単なる移植作品ではなく、電子メールをエサとして、身体とともにAIまでがどんどん成長を遂げる、エージェント型のデジタルペットだ。

発表会の会場で配られた「シーマン」2001年度カレンダー。

 成長の仕組みは、メーラーに保存されているメールのヘッダ情報から、キーワードを読みとり、データベース化するというもので、ソフトに同梱されているスケジュール表のチェックも常時行い、ご主人(プレイヤー)の人間関係やスケジュールなどを、会話の前にあらかじめ学習しておいてくれる。メールボックスを定期的にチェックし、メールが着ていると、デスクトップ上に送信者の氏名が書かれたウィンドウを表示し、「こいつからメールが来てるぞ」としゃべりかけてくれたり、あらかじめ指定しておいたスパムメールを“食べて”くれたりする。

 「シーマン for Windows」の音声認識には、日本IBMの組み込み型の音声認識ソフト「ViaVoice Embedded Edition, Mobile Edition」をWindowsに移植した「ViaVoice-Easy Snap」を採用。ViaVoice-Easy Snapは、サイズが250KBと小さいなのが特徴で、市販されている「ViaVoice for Windows Ver.8」と比べると、認識できる言葉の数は限られるものの、ユーザーの声質のパターンを読みとる「エンロール作業」が不要なほか、一般のマイクで使用できる(Ver.8はノイズキャンセラー機能付きの専用マイクが必要)など様々なメリットがある。

 PC版の最大の特徴は、自分が育てたシーマンが、インターネットを経由して、他人のPCに現われ、“情報を集める”ことができるところだ(これは双方のマシンにシーマンがインストールされている必要がある)。12月19日の発表会で行われたデモでは、LANで繋がった2台のPCを使用し、シーマンが質問を聞きに隣のPCに現れる姿を実際に見ることができた。そのPCには2匹のシーマンがデスクトップ上を泳ぎ、ご主人から承った質問もそこそこに、そのパソコン所有者(女性)に「ところでおまえ独身?」とか「クリスマスの予定入ってないようだけどどうなってるの?」とか「ウチの主人もスケジュール空いてるみたいだけど一緒に食事でもどう?」など、シーマン独特の生意気な語り口調でしゃべりかけていた。

 ここで気になるのが、プライバシー保護についてだが、ビバリウム社長斉藤氏によると、詳細なチェックボックスリストを用意し、他人に漏らされてはまずい事項をあらかじめ設定できるようにするとのこと。もっとも、シーマンが乱入する相手は、あらかじめ作成した「お友達リスト」に含まれる人たちだけだ。シーマンがいきなり未知の人間のPCに飛び込んでいって、プライバシー情報を漏らしまくる心配はない。

 PC版の発売時期については、パッケージでの発売はいまのところ未定で、2001年の1、2月頃に(株)ISAOが運営するインターネット接続サービス「Isao.net」のユーザーを対象に無償配信し、反応を見てから販売方法について検討していくとのこと。2001年6月頃を目標に携帯電話向け「シーマン」の発売も予定しているほか、シーマンにサーチエンジン的な機能も盛り込み、「IBMの新しいパソコンの情報があったぞ。見るか?」とご主人のお好みの情報をシーマンが知らせて、メーカーから宣伝広告費を得るようなビジネスモデルも検討しているとのことだ。

デスクトップ上を気持ちよさそうに泳ぐシーマン。 (写真提供:ASCII24)

(株)ビバリウム
日本アイ・ビー・エム(株)
(株)ISAO
Isao.netに関する問い合わせ先 Isao.net ネットワークサポートセンター 0570-057-100

(C)VIVARIUM Inc. 1998,2001

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