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米インプライズのCEO来日、「われわれは新しいボーランドとして再生する」

2000年12月07日 20時57分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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インプライズ(株)は7日、米インプライズ社社長兼CEOであるDale L. Fuller(デイル・L・フラー)氏来日に伴う記者会見を行なった。

新生ボーランドが新世紀に登場

Fuller氏は、インプライズが開催するユーザーイベント“第二回 インプライズ Java/Web ソリューションセミナー”にて基調講演を行なうため来日、基調講演の前に都内で報道関係者向けに会見を行なった。

Fuller氏「ソフトウェア開発者は現代の芸術家だ」

同氏は、「顧客がインターネットをプラットフォームとしてアプリケーションを構築できる世界を提供するのがわれわれの役割。プラットフォームに依存しないアプリケーション開発環境を提供するということは、顧客に自由な選択肢を提供するということだ」と説明、同社の目標として、年率20%の売上成長、クロスプラットフォーム開発環境市場で1位になること、グローバル組織を有効に利用することを挙げた。

続いて、「就任後に私がまずフォーカスしたのは経営上の効率向上、そしてビジネスプランの着実で効果的な実行。実行できない者は“処刑”する」と語り、その結果、'99年第2四半期は2200万ドルの営業損失を出していたが、'99年第3四半期には損失をなくし、2000年第1四半期には営業利益を黒字にしたという。

今後のビジネス拡大について、同氏は「2001年1月1日より社名をボーランドに戻す。企業を効率のいい会社にするために社名を変更、新しいボーランドとして再生する。われわれは、RAD、Java、Enterprise、DSPといった製品群にフォーカスする」と説明した。

同社のRAD事業は、Delphi、C++Builder、Kylix(カイリックス:開発コードネーム)といった製品群で構成されている。RAD市場での同社のシェアは20%となっている。同氏は「Linux対応のビジュアル開発プラットフォームを持っているのは世界で1社だけ。クロスプラットフォーム開発市場で1位になるのが目的だ」と語った。

Java事業の要であるJBuilderは、Java開発プラットフォーム市場で現在40%のシェアを持っている。同氏はJava事業の目標について「Java開発プラットフォームで100%をとること」としている。

また、Enterprise Deployment分野について同氏は「この市場は今後2年で55億ドルのビジネスになると言われる。目標は金融やテレコム関連のグローバル企業において導入数1位になることだ」と説明した。

Kylix日本語版は英語版リリース後8週間以内に

Fuller氏に続いて、11月1日付けでインプライズ(株)の代表取締役社長に就任した安藤由男氏が、日本法人の事業戦略について説明した。同氏は、「2001年1月1日(米国時間)で米国本社の社名がボーランドに変わったすぐ後に、日本法人も“ボーランド株式会社”に社名変更する。新体制のキーワードは、Professioal(われわれは職人であり、高度な資質を持って適切に対応する)、Proactive(先を見越して次の手を打つ)、Speed(迅速性を持って事に当たる)の3つ。今後はEnterprise製品の販売強化を行なう」と説明した。

安藤氏「良かったころのボーランド、アグレッシブなボーランドを復活させたい」

また同氏は、日経BP社調査部による“Java利用実態調査”(11月7日~20日にウェブ上で実施)で、JBuilderが、「普段利用しているJava開発ツール」で2位(1位は『JDK』)、今後主軸としたい開発ツールで1位となったことを挙げ、「Java開発ツールNo.1宣言を行なう」と語った。

さらに今後の製品スケジュールについても説明がなされた。JB次期バージョンが2001年第2四半期に、AppServer次期バージョンが2001年第1四半期にそれぞれリリースされる。Linux版ビジュアル開発ツールのKylix英語版は2001年第1四半期に米国でリリース、日本語版は英語版出荷後8週間以内にリリースするという。Kylixは、WindowsとLinux両方で利用できるコンポーネントライブラリ“CLX(クリックス:開発コードネーム)”により、WindowsからLinuxへのアプリケーションの移殖を簡素化できる。対応ディストリビューションについては現在検証中としている。

発表会で紹介されたKylix英語版の画面

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