(株)アルファ・オメガソフトは5日、データ復元ソフトの新製品として、『FINALDATA Solaris』および『FINALDATA Linux』を発表した。
『FINALDATA』のパッケージ。写真はSolaris版 |
SolarisやLinux上でデータの復元が可能
FINALDATAは、致命的な損傷を受けたデータを事後に復元できるデータ復元ソフト。通常のデータ復元ソフトは、データのバックアップをあらかじめ取っておき、エラーが起きるとバックアップデータを戻す形式だが、FINALDATAはディスクそのものにスキャンをかけ、ディスク上に物理的に残っているデータを取り出せるソフト。既存ソフトはWindows対応だったが、今回UNIX対応版として2製品を発表した。
復元対象となるのは、ファイルシステム情報などが消えていて、データそのものは物理的に残っているケース。例えば、操作ミスで削除してしまったデータや、フォーマットしたデータ、FDISK、ウイルスにより削除されたデータ、セクター異常。セクター異常の場合は、異常部分をスキップして残りのデータを取り出せるようになっている。
UNIX版2製品の新機能として、BMPやJPEG、GIFなどの画像データを、復元する前に閲覧できる“イメージビューア”、断片化ファイルのテーブル情報を編集できる“ファイルファットエディター”を搭載する。ファイルファットエディターは、データのテーブル情報を表示し、クラスタ番号を変更したり、断片化しているクラスタ部分を削除できる。
また、任意のキーワードを入力しスキャンすると、そのキーワードテキストが入っているファイルのデータ位置を表示し、そのテキスト部分のみを抜き取れるほか、削除ファイル一覧をレポートとして出力できる“復元ファイルレポート”、ファイルシステム情報のバックアップ機能などを搭載する。
パッケージ発売のほか、復元サービスも開始
復元対象OSは、Solaris版がSolaris 2.5.1/2.6/7/8。Linux版はRedHat LinuxやTurboLinuxなどExt2に対応しているもの。2製品とも12月24日発売、価格はオープンプライスで、サーバー数やクライアント数によって異なるが、Solaris版が1サーバー約650万円から、Linux版が1サーバー約380万円から。さらに、AIX対応版やHP-UX対応版も2001年1月にリリースするという。
また、今後FINALDATAのUNIX版2製品を利用したデータ復元サービスも行なうという。サービスは、データが消えた後に復元するサービスと、事前にFINALDATAをユーザーに有償で導入してもらい、データが消えた際に無償で復元するサービスの2種類。価格は検討中とのことだが、現在同社が行なっているWindowsベースの復元サービス費用は、復元容量が1~100MBで3万円となっている。
本日都内で行なわれた発表会で同社代表取締役の佐々木隆仁氏は、「これまでWindowsをベースにデータ復元ソフトを展開してきたが、ユーザーから多くの感謝の言葉をもらった。今回UNIX版を提供することで、UNIX OS上でのデータ復元が可能となる。また、FINALDATAとまったく逆のソフトになるが、データをディスクから完全に削除するソフト『TERMINATOR』の開発も行なっている。さらに海外展開として、韓国のファイナルデータ社と提携し、共同出資で米国に会社を設立する」と語った |
発表会には、ゲストとして伊藤忠テクノサイエンス(株)(CTC)の取締役会長である佐武廣夫氏が登場。FINALDATAのSolaris版をCTCで採用するという |