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1000円で幸せになる方法~オールドIBMキーボード~

2000年12月02日 02時13分更新

文● 水野

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メカニカルを探せ!

 さてその5576シリーズ、モデルによって地下市場に流れている量にはかなり違いがある。比較的最近のメンブレンモデルなら意外と簡単に手に入ったりするのだが、今回の狙いはズバリ、さらに昔のメカニカルモデル。こちらになるとまさにウルトラ・レア、ネットオークションでも常に高値を付ける人気の品なのだ。それだけに、秋葉原中の中古ショップをまわる覚悟……。
 晴れた休日ということで外に商品を並べていた、道楽一歩手前の匂いがする中古ショップ。店の外に出された陳列棚の最下段でAXキーボードに埋もれていたIBMのロゴ。恐る恐るおっちゃんに値段を尋ねると「んー、500円でどうです?」……買った! 買うしかないでしょ! かくしてあっけなく目標は達成されたのであった。
 裏の銘盤に記されたモデル名は“5576 KEYBORD-1”。正式な型番は“5576-001”、シリーズ最初のPS/55標準キーボード、そのものである

5576-001。かなり巨大なキーボードだ
 キータッチは評判どおり素晴らしい。「カシャカシャ」と言うより「カチカチ」というか「クキクキ」というか、あくまでソフトなクリック感。強すぎず弱すぎず、指に吸い付くようなスプリング。長く使われて多少ヘタってはいるのだろうが、とにかく”メカニカル=硬い”という概念を吹っ飛ばす素晴らしさだ。
 が、何せ現行の106/109等の規格ができる前の代物である。確かに文字キーの配列こそ変わらない。が、左端に2列、「取消」「単語登録」「サイズ変換」などの”機能キー”、ファンクションキー部分が2段になって上段に「Attn」「PA1」「PA2」など、聞いたこともないキーがあったりして相当ヘンテコになっている。コネクタはPS/2なのでつなぐことはできるにせよ、果たして現在のPCで動作するのか不安。……悪い予感が見事に的中してしまった。普段使用しているWindows 2000ではサポートされておらず、カナ入力において正しく入力できないキーが出てしまうのだ。ただローマ字入力なら何も問題はなく、立派に使える。さらに何と、Windows 98SEなら専用ドライバがデフォルトで用意されており、カナもローマ字も完璧なのだ。もちろん、怪しげなキーの大半は使用不能であるし、CtrlやPageUp/Downなどの同機能のキーも刻印や場所が違っていて、使うにはかなり根性が要るが…(ちなみにWin Meではサポートされていないようだ。ちぇっ、ケチ)
左側の機能キー。「前面」がAltキーで、Ctrlキーは場所はともかく機能はいっしょ。その他は…何が何やら
二段のファンクションキー。上段はちんぷんかんぷん
カーソルキーが十字キー状態(真ん中って何!?)。「挿入」「削除」は英訳のとおりだが、横に並んでいるのでかなり戸惑う

475円も!? 余っちゃった

 お値段は消費税が付いて525円。どうしよう、475円も余ってしまった。
 じゃーこの勢いでもう少し何か探してみましょうかね、と休日恒例のガレージセールを回ってみると、見つけました、カゴいっぱいに入っていた同じくIBM純正のThinkPad用テンキーパッド。旧型のこれまた生産終了品で1つ300円なり。消費税なし。

真っ黒で味も素っ気もないデザイン。まさにMini ThinkPad
 なりは小さいが、キータッチはまぎれもなくThinkPad(多少ぐらつきが大きいが)。目を閉じてパチパチ叩けば、300円で気分(だけ)はもうシンクパッダー。ちなみに本来は、蓋を底に重ねれば盤面の角度をさらに傾斜させられるのだが、その蓋が付いていない。ま、300円ですからね…。普通にThinkPadと合わせるも良し、テンキーのない“TrackPoint”付きコンパクトキーボード“SpaceSaverII”と合わせるのもアリだろう。

 さあ、残りは175円。しかしもうお腹いっぱいである。
 後はジュース1本買って、残りは余りにしておくとしよう。いやあ、節約って幸せだなあ。



今回のお買い物

IBM 5576-001 \525
IBM ThinkPadテンキーパッド \300
缶ジュース1本 \120
合計 \945

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