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カラーインクジェットプリンタ最新機種レビュー

カラーインクジェットプリンタ最新機種レビュー

2000年12月01日 22時12分更新

文● 行正

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最新機種はここが注目

エプソン PM-900C

 インクジェットプリンタ市場はここ数年、「写真高画質」というキャッチコピーで高画質化競争が続いている。今年もまた画質向上という方向性こそ続いているものの、昨年までと新機種の方向性は若干異なっているように見受けられる。というのは、高画質化が進んだため画質だけでは大きな差別化ができなくなったためもある。数年前までは新製品と従来機種の印刷サンプルを見比べれば、ひとめで画質の向上が分かったが、現在ではよく見比べなくては違いは分からない程度になっている。もちろん4色機と6色機は印刷を見比べると歴然とした違いがあり、同じ4色機でも粒状感の大きなものから非常に低いものまでさまざまだ。しかし、たとえばエプソンPM-900CとPM-880Cの印刷結果を見比べて一瞬で違いが分かる人はほとんどいないだろう。プリンタの性能が、インクドットの粒状感を判別したり色の違いを見分ける人間の能力の限界に近づいてきているわけだ。
 画質だけが決め手にならなくなっているということは、高い画質を謳うエプソンのPM-900Cにおいて2plの微小ドロップや7色インクといった高画質技術に加え、ふちなし印刷や厚紙対応といった新機能が盛り込まれてアピールポイントになっている点からも予想できるだろう。



キヤノン BJ S600

 画質以外の注目ポイントとしては、もちろん印刷速度がある。今回の新商品のなかでは、4色機としては高い画質のhp deskjet990cxiの印刷速度は傑出しており、モノクロ文書を多用する人にとっては最もお勧めの製品と言える。また、キヤノンのBJ S600における高画質カラーモードでの双方向印刷技術の導入は、モノクロは速くてもカラーは遅い、という従来機のプリンタのイメージを覆すものだ。カラー印刷頻度が多い人にお勧めなだけでなく、今後とも注目したい技術である。

 さらに、今回の新製品ではエプソンのふちなし印刷、hpのメディアセンサーなどの新しい技術が登場し、新たに市場参入したシャープ/ゼロックスの製品もキヤノンがすでに導入している全色独立インクタンクや光学式インク切れ検出機能、hp製品に似た前面給紙方式を採用するなど、注目すべきものは多い。



お勧めのプリンタはこれだ!

キヤノン BJ F870

 今回のプリンタのなかから買うなら1台を決めるといっても、印刷目的がおもにモノクロな文書なのか、カラーの文書も多いのか、写真画質のものしか印刷しないのかなど、用途によってお勧めするプリンタは大きく違うので一概には決めにくい。
 大雑把な目的別ガイドとしては、デジタルカメラなどで撮影した画像を大きく印刷するといった印刷画質が重視される使い方ならば、PM-900CもしくはBJ F870がお勧めだ。



hp deskjet990cxi

 自宅やオフィスなどでカラーのドキュメントを印刷したり、普段からWebブラウズしたホームページの印刷をするというのであれば、高い品質のカラー画像が高速に印刷できるBJ S600をお勧めしたい。また、もっと日常的に毎日でも印刷するといった使い方ならば、高い使い勝手が魅力のhp deskjet990cxiがお勧めだろう。



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