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信長の野望 嵐世記

信長の野望 嵐世記

2000年11月24日 21時22分更新

文● 中村聖司

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今回は初心者サポートのための補助機能として、配下武将が最適な行動を進言してくれる。シリーズ未体験者は、まずはこの機能を使いながらシステムに慣れていくといいだろう。

 今回、α版をプレイしながら「これはいい」と思ったのが、徴兵システムだ。嵐世記では、合戦などで武将がいくら勲功を上げても身分が上がることはない。これに伴い、身分に応じて最大兵数が増える、というシステムも廃止されている。代わりに採用されたのが「知行制」で、大名が配下武将に与えた知行地の大きさによって持てる最大兵数が決まるというシステムだ。配下武将に与えられる知行の量は、総石高の半分までで、残りの半分は大名の直轄領となる。配下武将に与えられる知行は100石単位で、100石につき200人の兵士が知行地から自動的に配属される、という仕組みだ。



本作では諸勢力への援助が欠かせない。画面は伊賀の忍者衆を率いる百道三太夫に援助を申し入れているところ。余談だが、松平家には、のちの徳川家で伊賀軍団を率いる服部半蔵の父、服部保永が配下武将にいる。

 「じゃあ、尾張60万石のうち30万石を配下に配れるわけか」と思うのは甘い。4本用意されるシナリオのひとつ1534年「信長誕生」を例に挙げて説明すると、信長の父織田信秀が収める清洲城の総石高は900石足らず。尾張の残る2城を収める守護大名斯波氏ですら1500石ほどなのだ。つまり、ゲーム開始時の尾張の総石高は2400石しかない。ここからもりもり開墾し、治水も行い、適当な頃合いに斯波氏を滅ぼし、武将を登用し、さらに国人衆の知行地を「検地」でがりがり削るなどして、尾張の総石高を増やしていくわけである。総石高が増えるにつれて総兵数も増えていくわけだが、この際、当然の戦術として、限りのある知行地を有能な武将に集中的に与えたくなるところだが、これがそうもいかないのだ。おもしろいことに、増やしたい名将に限って「わし如きにこれ以上の加増は無用でございます」と断ってくるのだ。配下武将が持つ兵数を大名が好き勝手に決められないというジレンマが味わえる点では、非常にユニークなシステムだといえるだろう。



現在鋭意開発中のリアルタイム合戦画面。戦闘のバランス調整はもちろんのこと、まだまだ未搭載の部分が多い。中央に位置しているユニット群は、隊列を組んだ状態で行軍している騎馬隊だ。

 また、シリーズを通じて評判の高い“ゲームサウンド”についても、おもしろい趣向が凝らされている。嵐世記では、従来のCD-DAではなく、Windows Mediaフォーマットのデジタルデータを採用し、CD-ROMへの常時読み込みを無くして、途切れのないBGM環境を実現している。フェードイン、フェードアウトといった演出も加えられる予定だという。BGMに関してはすでに完成しており、評価中いくつかのメインテーマを聞くことができたが、CD-DAと比べても遜色のない非常にクリアな音質だった。十分に期待しよう。



城門を撃ち破り、城に攻撃を仕掛けている様子。攻城戦では、部隊の士気が急速に下がっていく。城の防御値が0になるのが先か、部隊の士気が0になるのが先か。嵐世記独特の緊張感が味わえる。

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