鈴木 裕己氏 |
渡辺 忠典氏 |
また、今回一番のキーポイントになる「Visual Studio Installer」についてですが、おそらくそのモジュールの入手が、大きな目的の1つになると思います。しかし、このプログラムは、MicrosoftのWebサイトからダウンロードが可能です。Plus Packを入手していないからと言って、Windows 2000に対して全然ノーケアなのかというと、決してそうではない。すでに相当数のダウンロードがありました。モジュールは約18.3MBなので、企業内の開発者であれば、無理なくダウンロードできるサイズです。
「Visual Studio Installer」について説明しましょう。このプログラムは、もちろん単独でも動きます。簡単に言うと、「MSIファイル」「インストレーションデータベースファイル」を構成するためのオーサリングツールです。セットアップオーサリングツールである「Wyse」や「Install Shield」といった製品と機能的には同じものです。しかし、「Visual Studio Installer」がターゲットとしているのは、企業内ユーザーだということに注意してください。
「Wyse」や「Install Shield」などは、リテールパッケージを作る上で非常に細かい部分まで作り込むときに有効です。そのため「Visual Studio Installer」は、「Wyse」や「Install Shield」といった製品と市場的に競合する製品ではありません。
優れた機能として、Visual Basicなどのプロジェクト作成の例を挙げますと、実はプロジェクトファイルを指定すると、依存関係を追跡して、ほとんど何もせずに、「Windows Installer」対応のインストールパッケージを作ることができます。1つずつスクリプトを書いたり、ダイアログを設計したりといった作業をせずに、オートマチックに「Windows Installer」に対応することができます。そして、とても重要なポイントとして、これに対応することによって、たとえば必須項目として“Windows Installerに対応”という一文があるWindows 2000のロゴ取得を目指すようなアプリケーションなどに、容易に対応できるというわけです。
Plus Packの内容を紹介しますと、このパッケージの中には、カンファレンスで配布した公演の内容や「COM+リソースCD」(COM+についてのデモンストレーションとドキュメント)、「Microsoft Data Engine(MSDE)」といったプログラム、そして「アプリケーション互換性ガイド」といった、Windows 2000開発のために必要な情報がまとめられています。「Visual Studio Installer」のほかにも、Windows 2000でアプリケーションを開発する上で必要な開発技術情報が入っているわけです。
Plus Pack全体を見てみますと、前述の内容は、「Windows 2000 Developer's Readiness kit」の3枚組のうちの1枚を指しています。Plus Packには、その他にCD_ROMが2枚あって、その中にはMicrosoftの新しいデータベースエンジン「Microsoft Data Engine(MSDE)のバイナリとチュートリアル、そして「SQL Server 7.0 Developer Edition」も入っています。データベースエンジン「MSDE」は、「SQL server 7.0」や「Access 2000」で使われているものとまったく共通のデータベースエンジンです。それ自体の配布は、7月の中頃から単体で行なっていましたが、それも今回はPlus Packに収めました。