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マイクロソフト(株) : 前田 義徳氏

Windows 2000チーム徹底インタビュー (その3) Windows 2000 Developerでは、MSDNにフォーカスしていきたい~Windows 2000 Developer~

2000年11月26日 05時06分更新

文● 聞き手、構成:MSDN Magazine編集部

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[編集部] 「Windows 2000 Developer」の発売期間を6月30日(金)までの期間限定にしたというのは、何か理由があるのでしょうか。また、MSDN1年間無料の権利は、どのようにすればユーザーは手に入れることができるのでしょうか。
[前田] 「Windows 2000 Developer」の発売期間に関しては、Windows 2000導入におけるITマネージャや開発者の方の準備期間と考えて設定したものです。「Windows 2000 Developer」をお買い求めいただくと、MSDNプロフェッショナルに登録することができます。「Windows 2000 Developer」での「MSDN プロフェッショナルサブスクリプション」の提供は、Windows 2000に合わせたPlatform SDKや開発ツール(デバイス ドライバ開発ツールも含む)がリリースされるだけでなく「Windows 2000 Advanced Server」も開発者にご利用いただきたいためです。

 一方、「Visual Studio 6.0 Plus Pack」をご購入のお客ようには、「MSDNライブラリサブスクリプション」を提供します。実際に「Visual Studio 6」や「Office 2000 Developer」などの製品パッケージを見てみると、それぞれの専用のMSDNライブラリが同梱されています。しかし、その情報は製品発売時期から時間が経過しているために古くなってしまいます。MSDNで提供している「ライブラリサブスクリプション」は、それらの情報をミックスしたものであるとともに毎月更新されるわけです。ですから、このご提供には、最新の情報をお届けするという目的があるわけです。

[編集部] 極端な例を言えば、Visual Studio 6の発売日にパッケージを購入したユーザーは、最も古い情報を持っているということになるわけですね。かつ、この時点では英語のままの情報も収録されている。しかし、今回日本語の情報が充実してきた上に、MSDN会員には、新しい「ダウンロードサービス」もプロフェッショナル以上の会員にはある。また、配布メディアもDVD_ROMへ移行しつつあるというわけですね。
[前田] MSDNの最新号には、「Windows 2000 RC2」が入っていますが、製品版に関しても、会員は米国版と日本語版の製品版を入手できることになります。発送は、可能な限り「Windows 2000」の製品版出荷日、2月18日までにMSDNプロフェッショナル会員以上に届けられるよう作業を行なっています。

 そして「Windows 2000 Developer」に、「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」を添付した理由の1つとして、「Windows 2000 Advanced Server」の発売が3月3日になるので、当然パッケージに入れることができなかったからということが挙げられます。そこで、「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」を提供することによって、「Windows 2000 Developer」のユーザーは自動的に「Windows 2000 Advanced Server」も入手可能になるというわけです。そこで、エンタープライズ向けのサーバを使った、システムやサーバアプリケーションを開発していただきたいと。Windows 2000で構築するシステムの評価とともに、ぜひサーバアプリケーションを開発していただきたいという目的で、「Windows 2000 Developer」には「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」が付いているわけです。

 「Windows 2000 Developer」のパッケージの中には「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」の登録用紙が同梱されています。この申し込み用紙は、2000年12月31日までにご登録いただくことになっています。ですから、たとえば6月に「Windows 2000 Developer」のパッケージを購入した場合、その時点で申し込みをしていただければ、7月から会員サービスがスタートということになるわけです。もし、登録用紙に気がつかない方がいらっしゃって、12月に気がついて返送していただいた場合は、2001年1月からの会員として登録することができますので安心してください。「Windows 2000 Developer」を購入して、登録用紙を送っていただければ、その時点で入手できる製品で構成された「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」のフルセットを手に入れることができます。そして、「Windows 2000 Advanced Server」もリリースされる予定なので、2月中にご登録完了された方には、「Windows 2000 Advanced Server」も手に入れることができるわけですね。「Windows 2000 Advanced Server」の店頭発売予定は3月3日ですから。

[編集部] なるほど、発表資料には明記されていないものの、「Windows 2000 Developer」を購入すれば、実は「Windows 2000 Advanced Server」も手に入るというわけですね。当然、1年間は「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」の無料会員に慣れるわけだから、その後の配布物も送られてくるわけですね。
[前田] 「Windows 2000 Developer」は、MSDNにフォーカスしていきたいと思っているんです。当然のことながら最新テクノロジーや開発情報を参照していただきたいですし、「MSDN Online」というWebサイトで日々更新される情報も参照していただきたい。また、ソフトウェアを必要とされる場合は、MSDNサブスクリプションに御登録いただいて、ベータバージョンから製品版までをDVD_ROMで入手して評価していただきたい。さらにダウンロードサービスも開始 予定ですから、常に最新の製品と情報をお届けできる体制ができあがりました。そのきっかけとなるのが「Windows 2000 Developer」であると言えるでしょう。そして『MSDN Journal』の創刊です。一般的に言語製品の専門誌は、傾向としてプロダクトカットなんですね。Visual BasicやVisual C++といったように、それぞれの言語製品別に雑誌が刊行されている。米国に至っては、もっと細分化されています。

 アスキーさんから、システム開発者向けの『Microsoft Systems Journal』、インターネット開発者向けの『Microsoft Internet Developer』、そして今回『Microsoft Developer Network Journal』で、統合したプラットフォームにフォーカスした情報が提供できるようになったことが非常に嬉しい。『MSDN Journal』は統合された情報、たとえば言語製品で言う「Visual Studio」のようなイメージを、私は持っているんです。

 どうして「Visual Studio」または「BackOffice」という製品ができたのかを考えた場合、統合されたアプリケーションやシステムを構築する上で、それぞれの特性を生かすべく構成された開発言語であるし、システムでもある。そうやってそれぞれの特性を組み合わせて作ることによって、より素晴らしいアプリケーションやサーバシステムが構築できるわけで、それと同様に、各特性の情報を丁寧にまとめた雑誌が、当然あってしかるべきだと思います。ですから『MSDN Journal』という、情報が統合された、OSのプラットフォームにフォーカスして、それに対するデベロッパーが必要とする、たとえば開発言語やデバイス関連情報、その他にも「Visual Studio」や「Office 2000 Developer」といったように、すべてをトータルにまとめた情報源が欲しかったわけです。

 欧米の開発者を見ていると、Visual C++でも開発できるし、Visual Basicも使える。つまり開発言語は何でも使える方が数多くいます。だから、Visual Studioが1本あれば、お客様からの要望や、システムに応じて最適な開発言語を使用することができるんです。Visual BasicでもOKだし、Visual C++でもOKなんです。でも、日本はどうしても製品カットになってしまっているのが現状で、「僕はVisual Basicしか使っていないからできません。また、Visual Basic以外の情報は必要ありません」という傾向が非常に強く感じられます。あまりそんなことは考えたくないけれど、たとえば、もし将来Visual Basicがなくなったらどうするんだろうと考えてしまう。いわゆる昔のアセンブラやCOBOLなどと同じ流れで、なくなりはしないけれど主流ではなくなって、お客様からの要望もなくなり使われなくなった場合、極端な例を挙げると職を失うことになる。そこで新しいテクノロジーや別の開発言語を勉強しなければならない。でも歳を取ってしまったし、活きのいい若いプログラマがどんどん活躍を始めるし、テクノロジーももの凄いスピードで日々進化していく。こんな流れが現実に起こり始めている。その流れに一早く対応したいと思うんです。ですから開発者に対して役に立つ共通の情報というものをどんどん出していきたい。そして、「こういった作り方をしてほしい。このように考えれば分かりやすい。これからはこうなる」といったメッセージが『MSDN Journal』という包括した雑誌のポジショニングであれば嬉しいなと思います。

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