国内最大の本の見本市“東京国際ブックフェア'99”が東京ビッグサイトで開催された。今回は“自然科学書フェア”、“人文・社会科学書フェア”、“児童書フェア”、“編集制作プロダクション
フェア”、“電子出版・マルチメディア
フェア”、“デジタルパブリッシング技術フェア”、“学習書・教育ソフト
フェア”、“マンガ・コミック フェア”の8つの専門フェアを同時開催。25日まで行なわれる。
長引く不況で、各ブースのコマは例年に比べるといくらか小さめ。その中で、今回最も大きなスペースを占めているのは、不況知らずのマンガ・コミック
フェアブース。平日にも関わらず来場者の数も多く、活気づいている。
講談社、集英社、小学館が並ぶマンガ・コミック フェアブース |
日本が世界に誇る文化“マンガ”。各出版社ブースには、人気マンガの海外版も展示されている。寄生獣の右隣のコミックは『頭文字D』ハングルバージョン。とりあえず“D”だけ分かる |
●講談社ブースにトラック出現?
講談社ブースの一角に、本の見本市には一見似つかわしくないトラックが展示されている。これは、講談社の創業90周年記念事業として今年行なわれる読書推進活動“本とあそぼう
全国訪問おはなし隊”のキャラバンカー。このキャラバンは、日本全国の保育園、図書館、公民館、児童館、書店などを訪れ、絵本の読み聞かせや紙芝居を実施する。第1キャラバンが7月に福島県から、第2キャラバンが8月に山形県からそれぞれスタート、2年半かけて全国を回るという。
トラックの荷台の中には絵本が並ぶ |
紙芝居実演中 |
●小学館、自然の生き物を紹介するCD-ROMシリーズを展示
小学館は、自然の生き物たちを写真と映像で紹介するCD-ROM『Wonder
Land
大自然ライブラリー』を展示している。ハナカマキリやキノボリカレハバッタなど擬態を行なう昆虫を中心に解説した『昆虫-昆虫たちの不思議』、プランクトンやクラゲを紹介する『水族記-水中のふしぎな仲間たち』、植物の生態を撮影、解説した『植物-知られざる植物のくらしかた』の3タイトルを10月に発売。Windows
95/98およびMacintosh対応で、各3900円。
●ブースあれこれ
小学館は、今夏公開予定の映画“スターウォーズ:エピソードI”のストーリーコミックを映画公開に先駆け7月初旬に発売 |
“スターウォーズ:エピソードI”に対抗する徳間書店の今夏公開映画“となりの山田くん”。スタジオジブリの最新作 |
会場内でサインをする志茂田景樹氏 |
先日発表されたリコーエレメックス(株)の『PCPICO』も展示されている |
出版社ブースの半数以上が、自社発行本を定価の10~20パーセント引きで販売している。中には店頭ではもう見られないような本もちらほら。記者は、数年前買いそびれた『マドンナ写真集』(同朋舎出版刊)と、4月26日発売の『だんご3兄弟のえほん』(NHK出版刊)を購入してしまった。めったにお目にかかれない専門書や洋書も展示されている。本を探しているが、どうしても手に入らないというかた、開催期間中に1度足を運ばれてみてはいかがだろうか。