(株)ジャストシステムとソニー(株)は、デジタルホームネットワーク分野での技術提携を結んだと発表した。今後拡大が見込まれる、同分野でソニーがハードを作り、ジャストシステムがアプリケーションやミドルウェアの開発を行なう。また、この技術提携に関連して、ソニーは7月にジャストシステムの第三者増資を引き受けるかたちで12億円を出資、出資比率6.7%(第4位)の株主となることも発表した。ジャストシステムはこれまでにもロータス(株)をはじめ、各社と戦略的提携を結んできたが、出資を受けるのは今回が初めて。
浮川和宣ジャストシステム社長と堀籠俊生ソニー常務が出席して、都内のホテルで記者会見を実施した。記者会見での質疑応答は以下のとおり。
----ソニーはマイクロソフトと、情報家電の分野で提携しているが、今回ジャストと提携した狙いは?
堀籠「今回の話は、マイクロソフトとの提携とはまったく無関係に進んだ話だ」
----今回の話はどちらから言い出したものか?
浮川「もともと営業レベルでの交流はあった。ソニーがデジタルホームネットワーク分野に力を入れていることを知り、われわれのほうから話をもちかけた」
----ジャストは、NECあるいは、ロータスなどと関係が深いはずだが、その点はどうか?
浮川「NECやロータスとの関係は、『一太郎』や『ConceptBase Search』などのパッケージソフトでの協力関係で、この分野は今後も力を入れていく。しかし、今回の提携は、デジタルホームネットワークというまったく新しい分野での提携で、NECやロータスがどうこうといってくることはない」
----ソニーには、アスキーも出資をあおいだことがあるはずだが、なぜアスキーではなく、ジャストだったのか?
堀籠「アスキーについて、どうこう言うのは失礼なので何も申し上げませんが、ジャストさんへの出資について言えば、タイミングの問題が大きかった。この業界は3ヵ月ぐらいの単位でどんどん変わっていく。われわれが商品計画を立てて、これからやろうとしている分野に関し、タイミング良くジャストが技術提携を申し込んできた。そして、ひとつのプロジェクトで終わらせるのではなく、長いつきあいをしたいという考えから、出資をすることにした」
----出資比率6.7%の意味は?
浮川「ジャストは、特に大きな資金を必要としている訳ではないので、いろいろと話し合ってこの比率となった」
堀籠「ソニーからジャストに役員を派遣する予定はない。従来どおりの経営をやってもらう」
----両社が共同開発した製品が発表されるのはいつごろか?
浮川「今期の計画には含まれていないが、1~2年の間にはなんとか出したいと思う」
(報道局 佐藤和彦)
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