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NEC、Linuxを採用したインターネットサーバー群を発表

2000年07月31日 17時17分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本電気(株)は7月31日、『Express5800』シリーズの新製品として、『Express5800インターネットアプライアンスサーバ』5機種、『同インターネットサーバパック』13タイプ、『同/SURFNAVI<Liteモデル>』3タイプを発表した。8月1日より順次出荷される。今回発表された製品では、Express5800として初めてOSにLinuxを標準で採用した。

『Express5800インターネットアプライアンスサーバ』――5分でセットアップ可能な単機能サーバー

Express5800インターネットアプライアンスサーバは、19インチのラックマウントに装着する高さ1U(※1)の薄型筐体を採用した、機能別専用サーバー。ウェブサーバー機能を持つ『Express5800/WebServer』、メールサーバー機能を持つ『同/MailServer』、ファイアーウォール機能を持つ『同/FirewallServer』、ネットワーク負荷分散機能を持つ『同/LoadBalancer』、キャッシング機能を持つ『同/CacheServer』(※2)の5機種がある。

※1 44.5mm

※2 CacheServerでは高さ2Uの筐体を持つモデルもある。

機種にもよるが、CPUにCeleron-566MHzまたはPentium III-600EMHz、メモリーは128MBを搭載、ソフトウェアによるHDDミラーリング機能(RAID1)を備える。価格と出荷開始時期は同/WebServerと同/MailServerが49万8000円で8月1日、同/FirewallServerが115万円(25ノード)または365万円(無制限)で8月1日、同/LoadBalancerが71万円で10月末、同/CacheServerが98万円からで8月1日となっている。

なお、搭載しているOSは、同/CacheServerが米ノベル社のNovell Internet Caching System 1.2(NICS)、同/Firewallがレッドハット(株)のRed Hat Linux 6.2日本語版、それ以外の機種ではターボリナックス ジャパン社のTurboLinux Server日本語版6.1を採用している。ファイアーウォールサーバーのみレッドハット製Linuxだが、これについてNECソリューションズ(日本電気の社内カンパニー)では、「ファイアーウォールソフトウェアとして採用している米チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社のFireWall-1と組み合わせて使用する上で、機能的な問題から」としている。

『Express5800インターネットサーバパック』――用途、市場別に13モデルを提供

Express5800インターネットサーバパックの例。上部にはインターネットアプライアンスサーバ製品が搭載されている

Express5800インターネットサーバパックは、19インチラックマウントに、Express5800インターネットアプライアンスサーバや、ルーター、スイッチなどのネットワーク機器をセットアップし、管理ソフトウェアを搭載して、工場で動作保証を行なったシステムを提供するもので、市場や用途に合わせて13タイプが用意される。また、ネットワークシステムを構築する上での診断やコンサルティングから、設計、実際の構築までを行なうサービスや、運用管理のアウトソーシングサービスも提供するとしている。

サーバーパックとしては市場別モデルとして、E-Commerceサイト向け、データセンター向け、エクストラネット向け、サービスプロバイダー向け、スモールオフィス向け、学校向けの6つのベースモデル、用途別モデルとして、Web環境強化モデル、Mailシステム強化モデル、Firewall二重化モデル、ポリシー管理システムモデル、サーバ統合バックアップモデル、ネットワークシステム運用管理モデル、情報コンセントモデルの7モデルが用意される。価格と出荷時期は、学校向けベースモデルが327万円からで、8月1日より順次出荷開始される。

『Express5800/SURFNAVI<Liteモデル>』――SOHO向けオールインワンインターネットサーバー

『Express5800/SURFNAVI<Liteモデル>』(写真左)運用の際、SURFNAVI自体にはディスプレーやキーボードは不要

Express5800/SURFNAVI<Liteモデル>は、 SOHO向けに、ウェブサーバー、メールサーバー、ファイアーウォールなどを1つにまとめた、オールインワンインターネットサーバー。CPUにCeleron-566MHz、64MBメモリーと15GBのHDDを、幅85×奥行き367×高さ316mmのコンパクトな筐体に収めた。OSはTurboLinux Server日本語版6.1を採用する。10分程度のセットアップで運用が開始できるとしている。また、業務サーバーで使用しているデータベースシステムなどとの連携APIを備える。価格は34万8000円で、9月5日に出荷開始予定。

ExpressサーバーのOS戦略

NECソリューションズ、執行役員常務小林一彦氏

同社はこれまでExpress5800シリーズにおいては、Linuxでの動作検証や顧客の要求に応じたインストール代行サービスなどを提供してきたが、今回初めて、Linuxのみで提供される製品が発表された。この理由について、NECソリューションズの小林一彦執行役員常務は、「インターネットサーバー、特にアプライアンスサーバーといった領域では、Windows 2000やWindows NTの機能はまだ十分でなく、関連するソフトウェアもLinux上で動作する製品のほうがが充実している」と述べた。さらに「NECでは、あくまでExpress5800シリーズのメインはWindows 2000であり、大規模データセンターや企業向けのアプリケーションサーバーとしてはWindows 2000を引き続き採用する」と、Linuxの採用は(1ないし2CPUを搭載するような)インターネットサーバーに限るとの考えを示した。

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