このページの本文へ

沖電気とNTTデータなど5社、インターネット決済サービス事業を手掛ける新会社を設立

2000年04月19日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

沖電気工業(株)、(株)NTTデータ、NTTコミュニケーションズ(株)、(株)NTTドコモ、マイクロソフト(株)の5社は19日、“株式会社ペイメントファースト”を6月に設立すると発表した。

記者会見に出席した5社の代表
記者会見に出席した5社の代表



新会社が手掛ける事業は、デビットカードやクレジットカードによる、インターネット決済サービスのプラットフォームの提供。“SET”バージョン1.0*に準拠たもの。仮想店舗経営者に対しては、データ管理サーバー“POS(Point Of Sales)サーバー”による商品注文と売上に関する情報の集中管理サービスを提供する。また、金融機関に対しては、データ管理サーバー“サーバーウォレット”によるユーザー認証と決済情報の集中管理サービスを販売する。

*SET(Secure Electronic Transaction):米VISA International社や米MasterCard International社が中心となって策定した、電子商取引のセキュリティに関する規格。

クレジットカード番号を仮想店舗に送らない仕組み

同社が提供する決済サービスの対象となるのは、BtoC(企業対消費者)分野のオンラインショッピング。

消費者がこの決済サービスを利用するには、まず金融機関に対し、サービス利用の申請を行なう必要がある。ここで、認証用の個人IDとパスワード、および、決済を行なうときに必要な“ウォレット(電子財布)”と呼ばれるモジュールツールを受け取る。

このモジュールを、128bitSSLが使用できるウェブブラウザーにインストールした上で、仮想店舗にアクセスする。購入したい商品を選ぶと、“POSサーバー”にそのデータが記録がされ、決済の前にリストアップされる。

コンシューマーがリストに対し決済ボタンを押すと、IDとパスワードが求められる。これが認証された場合、サーバーウォレットにユーザー名と購入金額などの情報が記録される。後は通常のクレジット決済と同じ。

仮想店舗に送られるは、POSサーバーに蓄積された、“いつ誰が何をいくつ注文したか”という情報のみ。サーバーウォレットに記録されたデータ、すなわち決済に必要な口座番号やクレジットカード番号は、仮想店舗側に送られないので、個人情報の管理は万全だという。インターネット接続端末はパソコンに限らず、iモードや、家庭用ゲーム機、セットトップボックスにも対応する予定。

富士銀やJCBなどがサービス導入を検討

新会社の資本金は4億9000万円。資本比率は、沖電気の40%を筆頭に、NTTデータが30%、NTT Comが10%、NTTドコモが10%、マイクロソフトが10%。社員数は7名で、代表取締役社長は沖電気から選任の予定。

沖電気はシステムの構築・運用とサービスの販売を、NTTデータはSETを使用する際の金融機関ホストとのゲートウエイ・ソフト『CAFIS』の提供を、NTTドコモはiモードとの連携を、NTT Comは家庭用ゲーム機やセットトップボックスなどで接続するためのプラットフォーム作りを、マイクロソフトはWindows 200、Site Server 3.0 Commerce Editionを利用する仮想店舗事業者へのSETデビット決済などを提供する。

サービス開始は10月の予定で、仮想商店として大日本印刷(株)が導入を検討中。また、金融機関としては、(株)富士銀行、(株)ジェーシービー、(株)ディーシーカード、(株)クレディセゾンなどが導入を検討している。

2003年に100万人の利用者を獲得することを目指す。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン