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【CA-World 2000 レポート Vol.7】CA、eビジネスのプラットフォームとなるソフト『Jasmine ii』の出荷を開始

2000年04月12日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

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米コンピュータ・アソシエイツ社(CA)が主催する“CA-World 2000”が4月9日~14日(現地時間)の間、米国・ニューオリンズで開催されている。現地時間の10日、eビジネスのプラットフォームとなるソフトウェア製品『Jasmine ii』の出荷開始を発表した。同製品を利用すれば、動的にパーソナライズされたインターネット取引やポータルサイトとして、BtoBそしてBtoCの電子商取引サイトを構築できるという。

併せて、同製品を各目的にあった形で提供する“Jasmine iApplication Suite”も同時に発表した。これはJasmine iiと、予測や推測、提案を行なう同社のソフトウェア『Neugents』(ニュージェント)を組み合わせて、用途にあったサイトを迅速に構築するためのアプリケーションスイート。

記者会見には、CAの会長兼CEOのチャールズ・ウォン(Charles B. Wang)氏(中央)、社長兼COOのサンジェイ・クマー(Sanjay Kumar)氏(右から3人目)をはじめ、パートナー企業が出席
記者会見には、CAの会長兼CEOのチャールズ・ウォン(Charles B. Wang)氏(中央)、社長兼COOのサンジェイ・クマー(Sanjay Kumar)氏(右から3人目)をはじめ、パートナー企業が出席



Jasmine iiはeビジネスのプラットフォーム

従来製品の『Jasmine』は、オブジェクト指向のデータベースと認識されることが多かったが、今回の新製品はeビジネスを実現するための一部の機能にすぎなくなったという。Jasmine iiについて、同社では、eビジネスのプラットフォームと置付けている。単なる電子商取引のウェブサイトの構築と運用だけでなく、BtoBそしてBtoCのユーザー個々にパーソナライズされたビューを提供できる電子商取引サイトやポータルサイトを構築できるという。また同製品を利用すればASPサービスも可能であるため、同社のパートナー企業がそれを提供していくという。

迅速に他と差別化したサイトを構築可能な“Jasmine iApplication Suite”を5種類提供

CAはJasmine iiの出荷と同時に、目的にあったサイトを迅速に、そして差別化したサイトを構築できる“Jasmine iApplication Suite”を発表した。

これはJasmine iiとNeugentsを組み合わせたもの。Neugentsは、同社の脳神経系ニューラルネットワーク技術を利用して学習機能を持たせた、予測や推測、提案ができるソフト。2つのソフトを組み合わせることで、目的にあった、顧客個々にカスタマイズ、パーソナル化されたビューを持つ電子商取引のサイトを構築できるという。

同Suiteは、全部で5種類が用意されている。『Jasmine iMarket』は、販売を行なうサイトを構築するためのパッケージで、Neugents技術を利用した動的なパーソナル化を実現できるという。

『同 iProcure』は電子調達向け。『同 iShip』は配送と配送価格を管理。『同 iPay』はクレジットカードと貸し出しを含めた、一般的な各種の支払いプロセスを提供する。そして、『同 iTax』はあらゆる国、あらゆる注文の税金を計算するサービスを提供できるという。

富士通はODB部分を共同開発したにとどまる

クマー氏は、「今日は、eビジネスへの参入チャンスに対する考えかたを変える日。Jasmine ii、Suiteは、迅速にほかと差別化したサイトを構築できます。動的なパーソナル化にはNeugentsの技術が役に立ちます」と述べた。

「富士通との協力によるコンポーネント(オブジェクト指向データベース)も、Jasmine iiには一部になっています。インターネットのスタンダードであるXML、Javaもサポートし、業界標準を元にして構築された製品です」と説明した。

Jasmine iiの説明を行なうサンジェイ・クマー社長兼COO
Jasmine iiの説明を行なうサンジェイ・クマー社長兼COO



会見には、富士通(株)のソフトウェア事業本部、本部長代理の米山幸彦氏も出席していたので、お話をうかがった。

富士通のソフトウェア事業本部、本部長代理の米山幸彦氏
富士通のソフトウェア事業本部、本部長代理の米山幸彦氏



米山氏は、「今回の製品で、オブジェクト指向データベースの使い方が見えるようになったと思う。富士通は、eビジネスのプラットフォームとして『INTERSTAGE』(インターステージ)を持っており、ODBのコンポーネントをいっしょにやっていくという立場」とし、Jasmine iiを富士通はどう扱っていくのかについては「これからの交渉」とした。

コンピュータ・アソシエイツ(株)によると、Jasmine iiの日本での発売は同時ではなく、日本語を扱えるようにする必要があるため、出荷は数ヵ月後になるという。

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