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【週刊京都経済特約】視覚障害者向けにキーボード練習ソフト--日本サスティナブルセンターと工繊大が開発

2000年03月16日 00時00分更新

文● 週刊京都経済

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NPO(非営利組織)の日本サスティナブル・コミュニティ・センター(SCCJ:京都市中京区蛸薬師烏丸西入る、浅野令子事務局長)は、京都工芸繊維大学工芸学部電子情報工学科と共同で、キーボードと音声出力のみを用いた視覚障害者タイピング練習機「打ち込み君」の試作版を開発した。スピーカーから流れてくる「打ち込み君」の指示に合わせてキーに触っていくだけで、楽しくキーボードの操作方法を理解できる。無償のソフトウェア配布を目指し、スポンサーを募集する。

ディスプレーなしで練習に取り組む(SC-CJのデモで)ディスプレーなしで練習に取り組む(SC-CJのデモで)



視覚障害者、高齢者がパソコンを使う上で最初のバリアになるのがキーボード入力。とくに視覚障害者はマウス操作が不可能なため、キーボード入力を覚えることが必須になる。

しかし、現在そういった人々を対象にした日本語タイピングソフトはほとんど流通していない。このため同センターが工繊大学生の卒業論文テーマとして提案、共同開発を進めていた。

開発には3ヶ月かかった。ポイントは「どういった教え方をするか」、「教材はどうするか」など。SCCJはこれまでに高齢者向けのパソコン講習で実績を上げており、受講者がどのようにステップアップしていくのかというノウハウをベースに教え方を開発した。

動作環境に画面のないLinax OSを使っている。古くなったパソコンを安くてに入れて提供していく予定。工繊大の西本卓也助手は、「送料や、設定料はどうしてもかってしまうので、スポンサーを取り、製品中にサウンドなどを組み込むことで、たくさんの視覚障害の方に無償でそのソフトを配布する計画だ」と話している。

老人や、子供の練習用にも使えるため、さらに、周辺機器やソフトにも広げた開発を進めていくという。

中途失明者は点字を覚えることが容易でないことから、パソコンによるメール通信への潜在ニーズが大きいという。すでに音声化ソフトが普及しており、キーボード入力さえできればインターネットを活用することができる。また、テキスト化された新聞記事をネットで入手し、介護者がいなくても音声リーダーを使ってニュースを知ることができるようになる。従来は困難だった即時性のある情報収集や社会参加が可能になるということだ。

SCCJは「高齢化とデジタル情報化時代の新事業立ち上げ支援」を事業目的にしている。

※記事の転載にあたっては、外来語の表記など用字用語の一部のみをASCII24の表記に合わせて書き換えた。その他はすべて原文のまま。

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