テストツールベンダーのマーキュリー・インタラクティブ・ジャパン(株)の社長に就任した小島康英氏が9日、都内で記者会見を開いた。日本アイ・ビー・エム(株)出身の小島氏は、電子商取引(EC)が日本でも拡大し、サーバーの負荷テストを行なうツールへの需要が高まるとし、「まずは知名度を高め、パートナー企業と協力してツールの普及に力を入れていく」と述べた。またテストツールのホスティングサービスを4月にも開始することを明らかにした。
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンの社長に就任した小島康英氏 |
米マーキュリーインタラクティブ社は'89年に設立。クライアント/サーバーシステムやウェブサーバーの負荷テストツールのほか、GUIアプリケーションの動作チェックを自動的に行なうテストツールを開発、販売している。'99年の売上は約1億9000万ドル(約200億円)。日本法人は'96年の設立。小島氏は今年1月1日付けで社長に就任した。前任のイッタイ・バラケット(Ittai
Bareket)氏は米本社へ転属した。
小島氏は記者会見で、「日本ではテストツールの普及が進んでいない。IBM時代の経験でも、稼働後の不具合でいったんシステムを停止せざるを得なかったプロジェクトがあったが、これはテスト不足が原因だったと思っている」と、自身の経験について語った。その上で、「ECが立ち上がれば、サイトの停止は売上と信頼に大きく響いてくる。米国のように、第三者にシステムの品質検査を任せるような流れを作っていけたらと思っている」と意気込みを口にした。
今後の販売方針については、「外資流の直販スタイルではなく、あくまでパートナーベンダーとの協業でプロモーションを進めていく」として、日本の商習慣にマッチした販売を行なっていくことを強調。ターゲット市場はIT業界や金融業界、自動車業界などとし、「日本法人の知名度をアップさせ、品質管理ツール市場を開拓する。またパートナーに対するサポートを充実させていく」と当面の目標を語った。
また4月以降にASP事業に乗り出す予定を明らかにした。テストツールをホスティングし、インターネット経由で顧客システムのテストを行なうサービスを提供していくという。
販売目標については、「世界全体の売上の10パーセントが目標だが、今年はまず5パーセントを目指す」と述べた。