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カシオと英Vodafone AirTouchが、欧州向けにマルチメディア・ワイヤレス・インターネット端末を共同開発すると発表

2000年02月01日 00時00分更新

文● 編集部 佐々木千之

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カシオ計算機(株)と英Vodafone AirTouch社は2月1日夕、都内で記者会見を開催し、今年秋をめどとして、欧州市場向けにマルチメディア機能を備えたワイヤレスインターネット端末と、その端末から利用できるコンテンツを共同で開発すると発表した。

Vodafone AirTouch社は、'99年6月に英Vodafone社と米AirTouch Communications社が合併してできた、世界最大規模の移動体通信企業。関連企業/事業拠点をヨーロッパ、北米、中東、アフリカ、アジアの各地に持つ。日本では、同社の子会社である米AirTouch International社を通じて、J-フォン各社に資本参加している。

カシオ計算機の樫尾幸雄副社長カシオ計算機の樫尾幸雄副社長



カシオ計算機の樫尾幸雄副社長は、両社の提携について「最強の端末と最強の通信インフラを提供できるパートナーシップであると考えている」と述べ、「欧州マーケットを最前線として、将来は全世界に事業展開をしていきたい。端末だけでなく、コンテンツを含めたサービスを展開していく予定である」と、お互いの強みを生かした提携であることを強調した。

Vodafone AirTouch社グローバルOEM担当ディレクターのイヴァン・ドン氏Vodafone AirTouch社グローバルOEM担当ディレクターのイヴァン・ドン氏



Vodafone AirTouchのイヴァン・ドン(Ivan Donn)氏は、「カシオの持つ情報端末の標準的なPIM機能に、我が社のポータルサイトを加えることで、世界中のユーザーに新たなワイヤレス体験を提供できる」と述べた。またこのパートナーシップの目的として「顧客が製品を購入して箱を開けた瞬間から、従来の機器や将来の機器と簡単に接続できるような製品の提供」ということを挙げた。そして、「両社が目標を達成していくことで、ワイヤレスインターネット対応の端末が、将来のEコマースの取引において、もっとも大きな割合を占めるようになる」という考えを示した。

カシオ計算機の鈴木洋三常務取締役カシオ計算機の鈴木洋三常務取締役



両者で開発する予定のワイヤレスインターネット端末は、カシオ計算機の強みであるステレオサウンド再生やカラー動画に対応したマルチメディア機能を備えた小型携帯端末と、Vodafone AirTouchが提供するモバイルデータ通信インフラを利用した、ポータルサービスが利用できるとしている。

開発予定の端末について、詳しいスペックは紹介されなかった。以下に、リリースや、記者の質問などに鈴木常務が答えた情報を列記する。

・大きさは現在カシオが発売するPalm-size PC『CASSIOPEIA』よりも小さい
・OSにはWindows CEを採用
・最初の製品では携帯電話機能は内蔵しない
・接続する携帯電話は欧州で普及しているGPRS/GSM技術によるデータ通信機能を備えたもので、想定している通信速度は64kbps
・WAP(Wireless Application Protocol)コンテンツビューアー機能を備える
・ウェブブラウザーを内蔵(クッキーやJava Scriptにも対応する)
・タッチスクリーン方式を採用
・デジタルカメラを内蔵
・電子メール機能、スケジューラー機能を備える
・各社から提供される予定のマルチメディアコンテンツやサービスはVodafone AirTouchが用意するコンテンツを通じて提供される
・端末の販売にあたって、どちらの会社からどのようなブランドとなるかは検討中

このほか、将来は携帯電話機能を内蔵した一体型端末も検討しているという。

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