26日、都内のベルギー大使館でベルギー・フランダース政府企業誘致局(FFIO:Flanders
Foreign Investment Office)による、ベルギー国内への企業誘致に関する説明会が行なわれた。FFIOはこれまでにも化学や自動車、IT(Information
Technology)関連の企業誘致を行なってきており、今回はスピーチや他言語、人工知能関連の企業の誘致を狙っている。
FFIOのテクノロジー・インベストメンツ・ディレクターのベン・ヒューブレッツ氏。発表会はベルギー大使館内で行なわれた |
名称はFlanders Language Valley(FLV)。フランダースはベルギー北部の州名で、ゲントやアントワープなどの都市を擁する土地。ベルギーにはこのほかにも、DSPバレーやマルチメディアバレーなど先端技術に特化した企業団地があり、すでに実績を挙げているという。
どうしてベルギーなのか。FFIOの説明によるとベルギーは教育水準も高く、良質な労働力を提供できるほか、ケーブルテレビの普及率が世界一。つまりこれはネットワークインフラが整備されていることを意味するのだという(ケーブルテレビ経由のインターネット接続を指す)。もちろんそれぞれのバレーに優遇税制措置も設けられている。
FLV基金について話をするFLVファンドのフィリップ・ヴァンバム氏 |
今回のFLVは欧州の象徴とも言える、多言語文化を取り上げるもので、通称“S.AI.L”と呼ばれる技術にフォーカスする。S.AI.LはSpeech、Artificial
Intelligence、Language Technologyの略。具体的には音声合成や音声認識、自然言語解釈、自動翻訳、検索エンジンなどの製品につながるものを指し、現時点では、北米や欧州、中東の企業が参加を表明している。今後は100社程度にまで増やすとしている。
また今回の発表に並行して、日本企業も誘致する意向だ。同時にS.AI.Lポートと呼ばれる組織を設置、S.AI.Lに関する技術の促進、企業への投資など全面的に支援していく。またFLVは基金を設置。S.AI.Lポートへの投資も行なうとしている。
今回の発表に合わせて、FLVが投資する6つの企業である、応用バイオメトリクス関連の米Keyware
Technologies社、人工知能関連の米Mindmaker社、家庭用電気機器との対話アプリケーション関連のイスラエルのCreator社、国際カンファレンスや展示会の企画を行なう米Dasar社、言語習得や翻訳の米Transparent
Language社、英語に特化した音声言語ソフトの米EHQ社の代表が来日、会場内で製品の展示を行なった。