左から、契約書に調印するIMECの社長兼CEO、ギルバート・デクラーク氏、ベルギー・フランダースのジャーク・ハブリエル政府経済大臣、STARC代表取締役専務兼COOの竹本豊樹氏 |
(株)半導体理工学研究センター(STARC)と、マイクロエレクトロニクス、およびナノテクノロジー分野等の独立研究機関であるベルギーのIMECは3日、システム・オン・チップ(SoC)の設計分野において、共同開発契約をむすんだと発表した。今後2年間、0.1μmから0.07μmのSoCの設計技術の開発を進めていく。
SoCとはDRAM・SRAM・信号処理回路などのシステムを構成する多様な機能を1チップに集積したもので、たとえばウェアラブルコンピューターを実現させるために欠かせない技術。半導体産業はこのSoC技術に移行するとされて、期待が高まっている分野である。
STARCではこれまで、(社)社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発足させた“あすかプロジェクト”において、半導体の設計、プロセスの共通基盤の構築などを民間で共同開発を進めてきた。
一方のIMECではシステム設計にオブジェクト指向のプログラミング手法を導入することにより、システムIP(設計資産)の再利用を実現してきた。
STARC代表取締役専務兼COOの竹本豊樹氏は、「STARCはこれまで、半導体産業の課題として、設計手法などについて取り組んできた。システムオンチップの設計技術にとっては、グローバル化は避けて通れず、世界的な協力が必要になっている。また、長期的には、設計についてコンソーシアム同士での協力関係を作りたいと考えている」とスピーチ。また、IMECの社長兼CEO、ギルバート・デクラーク(Gilbert Declerck)氏は「今回の契約は日本の設計手法分野における、関連会社とのネットワークを広げるために重要な一歩。今後は世界中の産業、研究所、学究分野間でのコラボレーションが必要となってくるだろう」と述べた。
STARC代表取締役専務兼COOの竹本豊樹氏 |
また、この日はベルギー・フランダース政府のジャーク・ハブリエル(Jaak Gabriels)政府経済大臣も出席し、今回の共同開発の提携に立ち会った。さらに、フランダースでは自動車産業・化学産業・情報通信技術などが活発で欧州経済圏の中心になっていること、現在、トヨタ・ホンダ・マツダ、松下電器産業など日本の主だった企業126社が物流センターや工場などをベルギーに置いていることなどを挙げ、「外国企業のベルギー進出を歓迎する」とアピールした。
ベルギーの名産品、ベルギービールを飲むジャーク・ハブリエル政府経済大臣。「ワールドカップでの日本VSベルギー戦では、両チームともにすばらしい成果をあげられるよう願っています」 |