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【エレクトロニクスショー'99 レポート Vol.5】特殊なデバイス

1999年10月07日 00時00分更新

文● ケイズプロダクション 岡田 靖

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ここで、記者個人の興味を惹いたものを紹介しよう。読者の皆様に興味を持ってもらえるかわからないが、今後が気になるものばかりだ。

ここで、記者個人の興味を惹いたものを紹介しよう。読者の皆様に興味を持ってもらえるかわからないが、今後が気になるものばかりだ。

・ちょっと面白い、特殊用途のディスプレイたち

特殊性の高いディスプレイも多い。業務用が中心だが、将来は一般に普及し、街角で見かけられるようになるかもしれない。

島津製作所







ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を、見落としそうなほど小さなブースで展示していた。同社のHMDは、米ザイブナー社のウェアラブルコンピュータにも採用されている。島津製作所では戦闘機や戦闘ヘリのヘッドアップディスプレイ、ヘルメットマウントディスプレイを開発しており、その技術を民生に転用できないかと模索しているそうだ。だが、現在開発中のモデルは、SVGA対応でありながらこれだけ小型軽量になった。デザインも、良い意味で「らしくない」ものになったといえる。仮にSONYロゴがついていても、違和感がないのではないだろうか。独自ブランドでの販売は考えていないそうだが、OEM供給先が見つかれば最短で2000年夏頃には製品化できるという。
説明員と少し話をしたが、これらHMDは、ソニーの『グラストロン』やオリンパスの『eye-trek』とは目的も使い道も異なる。2~3m先に虚像を投影するのは同じだが、HMDは情報表示が目的で、ビデオ映像を鑑賞するためのものではない。逆に、HMDでは、実像と虚像を同時に見ながら作業ができる。以前IBMがコンセプトモデルとして発表したウェアラブルコンピューターと同じ流れにあるものだ。
また、戦闘機のヘッドアップディスプレイのように、遠景に重ね合わせて画像を表示するシステムもあった。内部の工学系をズームさせることで虚像の焦点距離を変え、近づいたり遠ざかったりする効果を演出できる。大がかりなものでは、ジオラマ模型に虚像を組み合わせ、博物館などの展示にも応用されているという。

指月電機製作所/ユニコーン・インターナショナル





光ファイバーを応用した大画面表示装置『点描(テン・ビュー)』と、バーチャルリアリティシステム『MANDALA』の組み合わせ。コンパニオンと社員(ユニコーン・インターナショナルの?)が共演してゲームのデモを行なっていた。実際に4種類のゲームを体験することもできる。解像度などを比較するため、隣にはLED方式の表示板を置いていた。

ケーシーシー商会



フルカラーLEDによる大画面表示装置『Kaleido Vision』の展示。5cm角、16×16ドットのモジュールを必要に応じて組み合わせ、さまざまな表示スタイルに応じられるようになっている。写真のように曲面にも対応できる。画面サイズの制限は特にないそうだ。輝度が高いので、離れた場所でも視認性は高い。警察署の交通管制システムなどにも採用されているという。

台湾・TZUNG GANG CORPORATION



フルカラーLEDの大画面表示装置は、さまざまなメーカーが手掛けている。こちらのメーカーは、日本での代理店を募集しているそうだ。やはり輝度は非常に高い。

豊田合成



高輝度を活かして、交通信号に用いる例もある。電球式と違って視認性が高く、消費電力も抑えられる。また、なんといってもメンテナンスが軽減されるのが強みだ。ただし、電球式よりも初期投資が高めになる。

・リチウムポリマー電池、シースルー太陽電池やフレキシブル太陽電池

TDK






PETフィルムにアモルファスシリコンを蒸着させたフィルム型太陽電池。多結晶/単結晶シリコンの太陽電池と比べると発電効率は劣るが、ロールフィルムを流して連続で製造できるのでコストは低く抑えられる。また、半透明にしたり、さまざまな製品に内蔵するなどの応用が容易だ。モバギやPCカードは参考品。カードには100mAh程度の電池が内蔵されているという。地図ビューアは業務用になるのだろうが、屋外で使うものになるので太陽電池は非常に有効だろう。

シャープ




こちらの『シースルー太陽電池』は、シリコン膜に微細な穴を空けることで半透明にしている。基板がガラスなのでPETフィルムより高温のプロセスが使え、発電効率の高いシリコン膜を形成できる。だが、微細加工を行なうため、若干コストは高まると思われる。

三洋電機




これも、同じく穴を空けてシースルーにした太陽電池。

日立マクセル




リチウムポリマー電池のサンプルを展示していた。見ての通り非常に薄い。

ジーエス・メルコテック




こちらのリチウムポリマー電池は、現行製品のラミネートフィルム外装リチウムイオン電池をリプレースできるタイプもある。ブースの片隅に『Pedion』の透明模型があった。当初リチウムポリマー電池で開発されたが、米ベンチャーから調達する計画が遅れ、製品出荷が止まったという苦い過去がある。結局、薄型リチウムイオン電池を開発し、リプレースして後続製品を出荷していた。そのリプレースをしていたのがジーエス・メルコテックだ。

・面白そうな入力デバイス、ほか

入力デバイスでも、面白いものがあった。使い方次第で大きく変わりそうな予感がする。

ホシデン



携帯電話用キーボードを展示していた。残念ながらモックアップで、動作するわけではない。電話機側にソフトウェアが必要だから当然のことだが。
携帯電話でメールを送受信するのが一般的になってきたが、テンキーや十字キーだけで長文を入力するのは困難だ。今後はこのようなデバイスが出てくることを期待する。ただし、互換性がないとユーザーが混乱するので、製品化の前に、キャリアごとでもいいから規格を統一してほしいところだ。
また、ホシデンでは微小マイクを開発している。写真撮影は断られたが、文章で紹介する。『Electret Condenser Microphone on Semiconductor』は、ECMの振動膜以外すべてをチップ上に形成したもの。マイクアンプもワンチップになっている。外寸は幅3.34×奥行き3.7×高さ1.0mm、動作電源電圧は2.2~3.6V、感度-30db/Pa(1kHz)。製品化は「1年くらい」とか。そして、『Silicon Solid State Microphone』は、チップ上にマイクロマシン技術でシリコン振動膜を形成したもの。こちらは製品化まで「2年くらい」とのことだ。チップサイズ3×3mm、振動膜は外径1.5×1.5mm、厚さ1μm。共振周波数は10kHz。カード型PDA、ペンダント型マイクなどのモックアップもあった。

アルプス電気





『どこでもスイッチ』は、キーの配置を変えても同じ動作をするスイッチだ。パソコンのキーボードに応用できないかと聞いたところ、キーに内蔵されたIDがあるので難しいという。もう少し薄くすることは可能らしい。自動車の操作パネルなどで、使いやすい配置にすることを目的として作られた。車内に複数の操作パネルを用意して、それぞれ必要なスイッチを配置するという使い方も考えられる。非常に小さいGPSアンテナもある。

指月電機製作所



参考出品の電気2重層コンデンサ。蓄電を目的とした大容量キャパシタで、非常用バックアップ電源や、電力会社の発電調整などへの応用が考えられている。ここでの展示も、街頭情報表示板に用いて、太陽電池、公共電力の次の電源として使うという提案だった。

タムラ製作所



電源機器関連を中心としたメーカーだが、真空管アンプも制作していた。最先端のエレクトロニクスショーで、CRT以外の真空管を見ることができるとは思ってもいなかった。

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