岐阜県各務原市にVRテクノジャパンという、バーチャルリアリティーに的を絞ったリサーチパークがある。21日には、ここに、研究施設『通信・放送機構MVLぎふリサーチセンター』が仮開所するなど、VR研究のメッカとして、体制が整ってきた。
(株)イマオコーポレーションは、VRテクノジャパンの敷地内に、一般企業としていち早くソフトウェア開発部門専用のビルを建築した。同社は、工業用のパーツ制作のほか、3次元CADソフトの開発なども手掛けている。同社の産業界としてのVRへのアプローチについて、市場開発部の曽我聡氏に伺った。
なお、MVLぎふリサーチセンターの仮開所自体については、別掲記事で詳述している。
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http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990427/devi01.html
CADからVRへ
--イマオコーポレーションがVRに取り組むきっかけは?「イマオコーポレーションは、パーツ制作メーカーだった。CADを導入したのもパーツ設計のため。導入当時、国内にはCADは一般的ではなかった。それならば、自社から販売しようということで、海外のCADソフトを販売するようになった。VRへの取り組みもパーツ制作の立場から自然に発生したもの」
曽我氏「このビルの扉などは自社製のもの」 |
--VRに対する今後の取り組みは?
「部品制作のためだけでなく、幅広いVRに取り組んでいこうと考えている。手始めに、会社案内を制作している。これは、3次元画像による会社のウォークスルーソフト。扉のデザインや、壁にかかっている絵画、机や椅子なども実際の物のデータを使っている。学生向けにVRMLを使い、ホームページ上に紹介したいと考えている」
同社が作成したバーチャル会社案内より。画面にはパーツを作る際に利用する“治具ツール”を組み立て設計するソフト『PRIME CAF』が紹介されている |