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“第5回IntelligentPad Workshop”開催

1998年03月31日 00時00分更新

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 マルチメディア・コンテンツやソフトの開発ツールIntelligentPad(インテリジェント・パッド=IP)の普及・標準化をめざすIntelligentPad Consortiumが、“第5回IntelligentPad Workshop”を開催した。

 IPとは、田中譲北海道大学教授が、'93年に考案した、マルチメディア・コンテンツやソフトを開発するためのツール。プログラムやデータを目に見える部品(Pad=パッド)とし、パッド同士は互いに接続できるように規格化されているため、テキストパッド、グラフパッド、画像パッド、計算パッドなど、必要なパッドを組み合わせて、ひとつの合成パッド(プログラム)を作成するというもの。



 合成パッドを作る際の操作は、パッドをマウスでドラッグアンドドロップするだけでよく、また、完成した合成パッドから不要になった機能を取り除くこともドラッグアンドドロップでできる。

 IPを考案した田中譲北大教授は、今回のワークショップで“ミーム・メディアとミーム・マーケットのシステム・アーキテクチュア”と題し講演を行なった。田中教授は、IPをたんなるソフトやコンテンツを開発するためのツールとしてだけではなく、「知財(=知識)が流通する場である“ミームマーケット(知財市場)”における、知識の伝播と再編を担うミーム・メディア・アーキテクチャーである」と位置づけ、その可能性に期待を寄せている。

 今回のワークショップでは、IPを使って開発した、外国人向けの日本語の学習教材について、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)の鈴鹿豊明氏が、また、PIM(Personal Information Manager)ソフトについては、(株)シーズ・ラボの柏崎公生氏がデモンストレーションを行なったが、いずれもデモに必要な機能だけを盛り込んだテスト版だった。



 田中教授を中心に開かれたパネルディスカッションでは、「テキストも、画像も、動画も、プログラムもひとつのアーキテクチャーに盛り込むという手法の流れは、マルチメディアの時代を迎えて、ますます強まっている、と感じている。ActiveXやJavaも、同じような考え方に基づいてると言えるだろうが、これらはフォームの連携と機能の埋め込みを別々に行なっており、この点においては、IPのほうが優れている」と冒頭に述べたものの、「将来IPが主流となるのかどうかという点は、私にはわからない」とやや弱気な面を覗かせた。

 IPは、“あらゆるデータ、プログラムをひとつのパッドに合成できる”とはいうものの、それぞれのデータ、プログラムを読み込んだり、動作させたりするためのパッドを作成しなければならないという欠点を抱えており、今ひとつ実用化の面で後れをとっている感は否めない。ただ、アイデア自体は非常にユニークであり、ActiveXやJavaへの影響も含め、今後の動向に注目したい。(報道局 佐藤和彦)

http://www.pads.or.jp/

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