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日本語redhat Linux 6.0 β1 レビュー

1999年08月17日 05時23分更新

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 7月30日に公開された日本語redhat Linux 6.0 β1は、Red Hat Linux 6.0を日本語化したディストリビューションだ。編集部が手にしたのはあくまでベータ版だが、それでもすでにインストーラなどは日本語化されていた。テストした限り一部では不具合が見つかったが、それも正式リリースまでには修正されていることだろう。

 日本語redhat 6.0では、新しくLinuxカーネル2.2系列(2.2.5)を採用しており、新しいカーネルの機能を使えるようになっている。また、バンドルされたソフトウェアのバージョンも上がっているため、いままで不安定だったソフトウェア、特にGNOME関係のものがより安定動作するようになった。

GNOME環境でのデスクトップの画面ダンプ
GNOMEの設定ツール「GNOMEコントロールセンター」、Enlightenmentの設定ツール「Enlightenment Configuration Editor」、画像ビューワ「Electric Eyes」が動いている。

 日本語redhat 6.0では、むやみに最新版を追い求めず、Red Hat英語版からなるべくバージョンを上げないようにしている。カーネルのバージョンが2.2.5なのはそのためだ。

 編集部では実際に、日本語redhat 6.0β1をインストールした。結論からいえば、何の問題もなくインストールできた。

 インストール手順は日本語版redhat 5.2とほとんど変わっていない。インストール時の設定内容も、パーティショニングにDisk Druidというツールを使うところも、ほぼ同じままだ。もともとインストールが簡単なディストリビューションなので難しいことはなかった。

 日本語版redhat 5.2ではデフォルトのウィンドウマネージャはWindowMakerで、デスクトップ環境はインストールされなかった。これに対し6.0β1では、デフォルトでEnlightenmentとGNOMEデスクトップ環境がインストールされる。また、KDEのパッケージも付属している。デスクトップ環境の切り替えは「Desktop Switcher」というユーティリティから行なう。また、グラフィカルログインする際にメニューから選択することもできる。

Desktop Switcherの画面ダンプ
Desktop Switcher。GNOMEとKDE、その他のウィンドウマネージャを切り替えることが可能。

 日本語版redhat 6.0では、X-TTパッチを当てたXサーバーを採用している。実際にTrueTypeフォントをインストールしたところ、問題なく使用することができた。

 一方、まだベータ版だと感じる不具合もいくつかあった。たとえば、実際にterminfoがインストールされているのは/usr/lib/terminfoなのに対し、アプリケーションは/usr/share/terminfo以下を見ているものがあった。このためlessなどで「WARNING: terminal is not fully functional」と警告が出ていたが、とりあえず/usr/share/terminfoから/usr/lib/terminfoにシンボリックリンクを張って一応正常に動かすことができた。このようなバグは、正式リリースでは修正されているはずだ。

Linuxconfの画面ダンプ
redhat 5.2でも採用されていたLinuxconf。さまざまな設定を、ここからまとめて行うことができる。

まとめ

 あくまで今回はベータ版を試用したため、製品版では仕様が異なるだろうが、それでもよい印象を持った。すでに英語版Red Hat 6.0が出てしばらくたつためか目新しさは感じないが、バージョンが上がるたびに着実に使いやすくなってきたと感じる。やはりある程度のUNIXコマンドを覚える必要があるなど、まだ一般的なWindowsユーザーが乗り換えるためには不足しているところも多い。しかし、GNOMEなどのバージョンアップにともない、確実に敷居は低くなってきただろう。

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