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「TurboLinux 日本語版 4.0」発売日レポート!

1999年07月09日 00時00分更新

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 ターボリナックス ジャパン(株)より「TurboLinux 日本語版 4.0」の販売が開始された。価格は9800円。同製品は、日本語変換システムに「ATOK12 SE for Linux」と「Wnn6 Ver3.0」両製品をバンドルしていることで注目を集めている。

 さて、このTurboLinux、発売日当日に購入する人って一体どれ位いるの?、購入する人ってどんな人?、また、最近いろんなパッケージが発売されているけど、何が売れてるの?、という疑問のもと、日刊アスキーでは、発売日当日の模様をレポートしてみた。販売店店頭におけるTurboLinuxの売れ行きを中心に、Vine Linux、redhat Linuxなどほかのディストリビューションの売れ行きも含めてお伝えする。

「TurboLinux 4.0」の平均価格は約7630円(写真はぷらっとホーム)

 今回の取材先は、東京は新宿と秋葉原。各量販店のほか、UNIX系製品を扱っているショップなどを中心に回ってみた。取材時間は午前11時~午後4時の間。お昼休みを中心とした会社員などの出足が高まる時間帯だ。

 実は今日9日は、重大な出来事と重なっていた。あの「Office2000」の発売日なのである。一体なぜこんな日に……。まあ、この疑問はあとで追々明らかにしていく。

新宿では年配のビジネスマン、学生が購入

 さて、最初に訪れたのは新宿。ソフマップ新宿4号店 シカゴ 2 Windows専門館にお邪魔した。まだ午前中ということもあり、売れ行きは「今のところ3~4本といったところでしょうか」とのこと。新宿という場所柄、帰宅時間の夕方がもっとも来店客が多いので、そちらに集中するのでは、とのことだった。

 同店に夕方問い合わせたところ、最終的に本日は約20本を販売したという。同店販売担当員のお話によれば、「購入するのは年配のビジネスマン、または学生の方が多かったですね。割と個人で使うことを目的にされているようです。Office2000と一緒に購入される方も何人かいました。全体的には、6月18日に発売された「Vine Linux 1.1CR」Official製品版のあとということもあり、インパクトに欠けた感じはしますね。また、TurboLinux、VineLinuxと比べて、根強い人気を保っているのはやはりredhat Linuxです」とのことだった。

秋葉原は街全体がOffice2000一色!

 続いて秋葉原へ。こちらは、ソフマップ秋葉原1号店 シカゴWindows専門館、ラオックス ザ・コンピュータ館、ぷらっとホーム、T・ZONE本店の4店を訪ねた。

歩道沿いにはすべて「Office2000」ののぼりが

 まず、秋葉原に着いて驚いたことは街全体がOffice2000一色になっていること!道行く道に、Office2000の旗がはためいている。また、量販店では必ずといってよいほど特別ブースを設け、キャンペーンガールがOffice2000のデモを行なっている。

 秋葉原では、ラオックス ザ・コンピュータ館、またぷらっとホームを中心に取材してみた。

ラオックスでは入り口を入ってすぐの場所に製品を山積み。取材した中ではもっとも来店客の注目をひいていた

 ラオックスでは入り口すぐの目立つ場所に製品を山積みにしている。この場所が効を奏したか、店内に入る多くの人が足を止めてパッケージを見ていた。ラオックスによれば、「午前中だけで36本を販売しました」とのこと。店内ではデモ機も2台設置されており、KDEが動作している画面でTurboLinuxを操作できるようになっていた。

ぷらっとホームでは、Vine Linuxも人気

 また、ぷらっとホームでは、約300本を入荷したという。売れ行き状況を尋ねてみると、「午前中、雨が降っていたこともあって出足は鈍いですね」とのこと。実際に売れたのは、午後4時までで20本とのことだが、気になる発言が出てきた。「実はLinuxよりもFreeBSDの方がよく出ているんですよ。というのも、Linuxは各ディストリビューターが異なるパッケージを販売しているので細分化されるのです。Linuxパッケージを全部合わせると、もちろんLinuxの方が売れています」ということだった。本日発売分に関しては、Vine Linuxのほうが本数は出ているという。客層としては、圧倒的に男性で、年代はさまざまだったという。会社で使用するためか、領収書を依頼されることも多かったそうだ。

 このほか、当サイト「Linux関連書籍 今これが売れている!」に情報を提供していただいている(株)書泉の古田島氏は、「Trubo Liunx 4.0は入荷したばかりで、まだ反応がいまひとつ。今週末にどのような動きがあるか注目したいところ」とコメントしている。

「TurboLinux 4.0 Pro版」、「TurboLinux Server 2.0」は8月発売

 今回のTurboLinux発売について、ターボリナックス ジャパンの広報/営業担当の方に話を聞いた。

――Office2000と発売日が同じですが…

「はい。意図的にぶつけたということもあります。Linux vs Windowsという話題作りとして(笑)。まあ、結果的には、特に秋葉原は街全体がOfficeムードという感じで、完全に押されたかたちになってしまいましたが。でも、Office購入を目的にやってきたお客様の目に、たとえついでであっても止まっていただければ思っています」

――前バージョン「3.0」から「4.0」と1.0単位でのメジャーバージョンアップですが、何か理由があるのでしょうか。

「機能的にも、かなりの変更点がありました。まずこれまでのカーネル2.0から2.2を、またglibcには2.0を採用しています。このほか、ウィンドウマネージャー/デスクトップ環境に、Afterstep、KDE、GNOMEなどを用意しました。今回から新たにKDE、GNOMEを採用した理由は、会社としての方針は決めずに、ユーザーの方にどちらの環境も使用してほしかったからです」

「また、そのほかの理由として、これまで弊社では、TurboLinuxのメジャーアップデートは、Ver.1.0から、2.0、3.0と半年に1度、定期的行なってきました。この慣習を習ってという面もあります。ただ、今後、このペースでバージョンアップを重ねていくかどうかは検討中です」

――今後、「TurboLinux 4.0 Pro版」、「TurboLinux Server 2.0」の発売が期待されるところですが。

「Pro版、Server版とも8月発売をめどに検討しております。Pro版は8月に入って、Server版は8月末ごろになりそうです」

 全体的には、パッケージを手にとり、熱心にパッケージの仕様を一読するものの、実際に購入する人は少なかった。また、時間帯のせいか、年配のサラリーマン姿が目立ったのも印象的だった。製品版が出たものの、まずは雑誌などの付録をを試してみて、また評価を調べてみてから、というユーザーがまだまだ多いのかもしれない。

 なお、以下に各店舗で調査したディストリビューション価格を掲載した。このほか、「TurboLinux 4.0」の試用レポートもお届けする予定。

ディストリビューション価格調査
TurboLinux 日本語版 4.0(定価9800円) 日本語redhat Linux 5.2 Rel.2(定価1万8000円) Vine Linux 1.1CR Official製品版(定価7800円)
ソフマップ秋葉原1号店 シカゴWindows専門館 7780円 8100円 5800円
ソフマップ新宿4号店 シカゴ 2 Windows専門館 7780円 8480円 6380円
ラオックス ザ・コンピュータ館 7920円 8100円 5800円
T・Zone本店 7350円 8100円 店頭になし
ぶらっとホーム 7350円 7980円 5800円

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