信頼性を支えるソフトウェア
type Gの強度や信頼性は、ハードウェアだけでなくソフトウェア面でも支えられている。付属の設定ユーティリティーでは、HDDの耐衝撃保護機能の感度、OS標準よりも詳細な省電力設定などが行なえる。また、セキュリティー対策として、USBポートにアクセス制限をかける機能も備える。設定ソフトの画面が分かりやすくデザインされているのも好感が持てる。
また、キーボード左上に指紋認証ユニットを内蔵。Windowsログオンに指紋認証を使ったり、内蔵のTPMセキュリティーチップと組み合わせたファイル暗号化にも利用できる。
ちょっと便利なネットワークユーティリティーとして、付属の「VAIO Smart Network」についても触れておきたい。type G専用のツールではないが、パソコンが接続している無線LANアクセスポイント別に、ネットワーク設定やプリンター設定を保存して、使用時に切り替えられるというツールだ。モバイルノートを頻繁に使う場所(オフィス、自宅、駅、行きつけの喫茶店など)ごとにプロファイルを用意しておけば、無線LANの使い分けがより簡単になる。
なお、VAIOと言えば、ビジネスユースには不要なエンターテイメントよりのアプリケーションが大量にインストールされていて、いちいち削除しなくてはならないのでは、という印象を持つ方もいるだろう。しかしtype Gはビジネスユーザーを主な対象とした商品なので、その種のアプリケーションはWindows Media PlayerやDVD再生ソフトなど、少数にとどめられている。邪魔なアプリケーションやサービスで、OS起動やアプリケーション操作が遅くなる心配はない。
Netbook 3台分の価格を正当化できるか?
性能や機能、信頼性の面では、Netbookを軽く凌駕するtype G。最大のネックはその価格だろう。店頭販売モデルである「VGN-G3KANB」の場合、ASCII.jp価格比較での最安値は18万円弱。Netbookが3台買える値段だ。
しかし、Sony Styleでの最安構成なら、13万円を下回る程度で買える(CPUはCeleron 723 1.20GHz)。CPUとメモリー、光学ドライブを店頭販売モデル並み、それ以外を一般的なNetbookと同程度に揃えると、やはり約17万円台にはなってしまう。優れた製品であるのは間違いないが、「Netbook 3台分の生産性があるか」と問われると苦しい。
景気後退の著しいこのご時世。IT投資も厳しい状況ではあるが、実使用時の快適さや落下時の耐衝撃といった利点は、Netbookが複数台あっても補えるものではない。モバイルノートのヘビーユーザーなら、こうした利点のありがたさも分かるだろう。type Gのようなモバイルノートは、Netbookのような「とりあえず使えればいい程度」のノートとは違う、優秀なモバイルワーカーの生産性を向上(あるいは低下させない)するためのツールと言っては言い過ぎだろうか? 社内の決済責任者やご家庭の大蔵大臣を説得する際には、こうした利点をアピールしてみてはいかがだろうか。