超低消費電力版のCPUを使い、1kg前後の軽さと堅牢製を追求したモバイルノートは、小型高密度実装技術に優れた日本のパソコンメーカーのお家芸と言えるジャンルだ。パナソニックのLet'snoteシリーズを初めとして、東芝「dynabook SS RX」、富士通「LOOX R」、NEC「LaVie J」など、各社が趣向を凝らした製品を投入し続けてきた。今回取り上げるソニーのビジネス向けモバイルノート「VAIO type G」シリーズも、高品質・高信頼性を追求したモバイルノートだ。
しかし、1台5万円前後のNetbookの台頭は、実売価格で10万円台後半~30万円程度と高価なモバイルノートの地位を脅かしている。はたしてtype Gの最新モデルには、Netbookにはないどんな魅力が備わっているのだろうか? じっくり見てみたい。
薄さと強靱さを両立したボディー
type Gシリーズは、直販サイト「Sony Style」でのCTOモデルや法人向けカスタマイズモデルなど、多彩な構成を選択できる製品だ。今回は最もオーソドックスな構成の店頭販売モデル「VGN-G3KANB」を試用してみた。
主な仕様は以下のスペック表にあるとおり。超低消費電力版のCore 2 Duo SU9300をCPUに採用、120GB HDDとDVDスーパーマルチドライブを内蔵する構成だ。光学ドライブを内蔵して約1.2kgの重量は、今となってはそれほど軽量とは言えないはずだが、手にした瞬間に「軽い!?」と感じる。サイズや質感からくる印象以上に軽量化されているためだろう。
それなりの強靱さを求められるビジネスノートであるから、type Gは特に薄さを強調したデザインをしているわけではない。しかし側面を見ると「薄いな」という印象を受ける。LEDバックライトを採用する液晶ディスプレーや光学ドライブの薄さが、全体を薄く見せている。
薄さを重視したノートパソコンでは、最薄部と最厚部で厚さに大きな差があり、鞄にしまうと余計な空間が空いて、バッグ内でがたつくことがある。その点type Gは厚みの差がわずか。閉じた状態のフットプリントは、週刊アスキーとほぼ同サイズ。書類や雑誌と一緒にビジネスバッグにすっきりとしまえる。
ボディーの強靱さについては、数字を並べるよりもこちらの動画ページを見ていただくのが早いだろう。どんな条件からの落下でも壊れないわけではないが、過酷な落下/衝撃試験の数々を見ると、「これならちょっとくらい落としても安心だな」という気になってくる。薄さ軽さだけならともかく、それに加えて優れた強靱さを備える点は、Netbookでは真似できない。
VGN-G3KANBの主なスペック | |
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CPU | Core 2 Duo SU9300(1.20GHz) |
メモリー | DDR3-800 2GB |
グラフィックス | Intel GS45 Expressチップセット内蔵 |
ディスプレー | 12.1型 1024×768ドット |
HDD | 120GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1+EDR |
カードスロット | PCカードスロット(TypeII)、メモリースティックスロット、SDメモリーカード/MMCスロット |
サイズ | 幅276.7×奥行き216×高さ27.2mm |
質量 | 約1.198kg |
バッテリー駆動時間 | 約12時間 |
OS | Windows Vista Business SP1 |
価格 | 20万円前後 |