最近、ノートPCと言えば低価格ノートばかりが注目されがちだが、現時点においては、国内のモバイルノート市場の中心は「プレミアム」モデルにある。
しっかり仕事に使えることを前提に、「高価ではあるがCPU性能やバッテリー持続時間に十分な性能を備え、それでいて軽量」という製品だ。大きなシェアを持つLet's noteシリーズや、本連載の第1回で採り上げたNECの「LaVie J LJ750/MH」(関連記事)などがこのカテゴリーに入る。
今回紹介する「FMV-BIBLO LOOX R/A70」(以下LOOX R)も、そんなカテゴリーの1台だ。富士通が「プレミアムモバイル」と名付けるこのノート。同カテゴリーのライバルに比べ、どういった魅力をもっているのだろうか。
一見フツーだが「カラバリ」で化ける
6種の天板から選択可能
富士通のLOOXシリーズは、現在3モデルが存在する。ひとつは、いわゆるUMPCである小型モデルの「LOOX U」。もうひとつは、タブレットPCである「LOOX P」。そして、メインストリームのモバイルノートPCであるのが、今回試用する「LOOX R」シリーズである。
サイズで言えば、LOOX Rは「12インチワイドモバイルノート」の典型例といえる。光学ドライブ内蔵で1.2~1.3kg弱の重量(搭載バッテリーの種類により変わる)。B5サイズよりちょっと大きく、A4よりは一回り小さいという、よくあるタイプの大きさだ。厚さは最厚部で37mm強とややあるが、持ち歩きに気になるほどではない。
今回試用したモデルは、店頭販売されている「グロスブラック」カラーの製品だ。カラーリング自体は珍しくないせいもあってか、見た目には「さほどキャラクターの立たない、普通のモバイルノート」という薄い印象すらうける。
「グロスブラック」の店頭モデルが目立たないのには理由がある。デザイン的な特徴のあるモデルは、同社のウェブ直販サイト「WEB MART」限定で販売されているためだ。
WEB MART限定のカスタムメイドモデルでは、天板のデザインを6種類から選択できる。カラーバリエーションはもう珍しくないが、同社の場合「昇華転写」という印刷技術を使い、ストライプやグラデーション、果ては犬の写真といった、実に派手な天板のモデルも用意している。
特にブルーグラデーションの天板は美しく、文字通り「プレミアム」感が高い。数年前なら、試用機のような「光沢ブラック仕上げ」の外観でも満足できたのだが、もはやそれだけでは「フツー」と感じる時代、ということなのだろう。
だが、LOOX Rの「プレミアム感」の本質は天板にあるわけではない。触ってみると、「ああ、プレミアムモバイルってこういうことか」と感じる部分が各所に存在するのである。

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