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データ通信戦国時代、いよいよ到来か

2009年02月03日 21時28分更新

文● 吉田陽一/トレンド編集部

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迎え撃つ側の各キャリアはどうでるのか

 データ通信で言うと、これまでケータイやPHS回線を利用するものが主流だった。既存のケータイキャリアの動向がどうだろうか。

 奇しくも3日に「ソフトバンクモバイルがイー・モバイルと提携して無線データ通信定額制開始」との一部報道があった。あたかもUQコミュニケーションズの発表にぶつけるかのようなタイミングで流れたニュース。現時点ではソフトバンクモバイルとイー・モバイル両社広報部とも「現段階ではノーコメント」という状況で、開始時期や料金体系等は全く不明だ。しかしこれらの報道が事実なら、これまでデータ通信の料金定額制を持たないソフトバンクモバイルにとっては、迅速にサービスの死角を埋めるための強力な提携となると考えられる。

 ちなみにイー・モバイルは2007年3月のサービス開始からまもなく2年を迎えるが、2008年12月の契約数は112万件で、大胆な販売戦略も功を奏しモバイルによるデータ通信分野では強固なプレゼンスを示すに至っている。同じく報道が事実であれば、ソフトバンクモバイルへの回線貸し出しによる収入増は、同社にとってもプラスとなるだろう。

※補足 ソフトバンクモバイルとイー・モバイルは、4日午後発表のリリースで、正式に協業を行なうことを明らかにした。それによると、ソフトバンクモバイルは、イー・モバイルのデータ通信網を利用し、3月上旬から定額制高速モバイルデータ通信サービスを行なうとのこと。

 そしてウィルコム。4月よりWILLCOM COREのエリア限定サービスを開始、10月から本格サービスを開始すると先日アナウンスがあったばかりだ。しかし、各社の動きが激しくなっており、秋からの本格サービス開始時にはマーケットシェア的に大きく出遅れてしまう可能性も否めない。ただ、先日の発表会では3Gとの提携サービスも視野に入れている、との発言もあったことから、当然何らかの手を打ってくると考えられる。

迎え撃つ側として今年は目を離せない、ソフトバンクモバイル孫正義氏、イー・モバイル千本倖生氏、ウィルコム喜久川政樹氏(左から)

 ネットブックの好調な売れ行きを背景にデータ通信端末に興味を持っているユーザーも増えていると思う。そんな状況下でUQコミュニケーションズの発表やソフトバンクモバイルに関する報道などを見ると、いよいよ各キャリアがデータ通信分野のシェアを奪い合う状況になってきている。そしてユーザーにとっては、様々な選択肢から自分に最適な商品を選ぶことのできる良い時代とも言えるのではないだろうか。

表 各社のデータ通信サービス
キャリア 通信形式 通信速度(下り最大) 料金 備考
UQコミュニケーションズ WiMAX 40Mbps 4480円(定額) 2月26日より。商用サービス開始は7月1日より
NTTドコモ HSDPA 7.2Mbps 3465~5985円(二段階定額) ─────────────
KDDI(au) EV-DO Rev.A 3.1Mbps 1890~5670円(二段階定額) ─────────────
ソフトバンクモバイル HSDPA 7.2Mbps 4567円+パケット代(従量)※このコースには8400円(3万2000パケット)分の無料通信分を含む ─────────────
イー・モバイル HSDPA/HSUPA 7.2Mbps 1000円~4980円(二段階定額) ─────────────
ウィルコム WILLCOM CORE 100Mbps以上を予定 未定 地域限定サービスを4月開始予定

※UQコミュニケーションズを除く各社の料金プランは、二年間の定期契約や各種割引きを適用した最安値。


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