開発のきっかけは「旅行ガイドさんに写真を渡したかったから」?!
―― 今回の製品は「xiao」シリーズの中でどういう位置付けになるんでしょう。
土肥 実は、xiaoとはちょっと別物なんです。xiaoシリーズ自体は今からもう10年前、1998年にポラロイドのミニフィルムを搭載したフィルムカメラとして登場したものです。
それにあやかって「デジタルだけどインスタント」という意味で「xiao」の名前を引き継いだという経緯ですね。
―― 開発当初(土肥さんは)xiaoの事業部には在籍していなかったんですか?
土肥 実は、当時は「Mexia」(ミーシャ)という、25万画素の小さなデジタルカメラを開発していたんです。当時6980円という破格の値段をつけていた製品ですね。
電池を抜いたら写真も消えてしまうというイージーなカメラでしたが、非常に好評をいただいていました。
―― 開発プロジェクトそのものは、ポラロイド社がフィルムカメラから撤退したタイミングで「やろう」という話になったんですか?
土肥 その前からですね。最も具体的なきっかけになったのは、取締役(当時)の柳沢が海外出張に行った時のことでした。当時、現地ガイドをしてくれた女性がいて、彼女と一緒に写真を撮ったんです。「連絡先を聞かなかったので、写真を渡すことができなかった」というエピソードがあったんですね。
そのとき、ちょうど時期を合わせたようにZINK社から「こんなNoInk(インクタンク不使用)のフィルムがあるんだ」という話をいただいていまして。今から2年9ヵ月前ですかね。そこで「デジカメにこういうプリンターが付いていたらいいよね」という話になり、開発がスタートしたという段です。
ZINK社在籍メンバーの多くはポラロイド社のメンバーでしたから、やはりポラロイド時代に日本で「xiao」シリーズが売れた、というイメージがあって声をかけていただけたのだと思います。
(次のページ: xiao TIP-521は「カメラ付きのプリンター」ってどういうこと?!)