
グーグルの海上データセンター
海外サイトで、Googleが出願したデータセンターに関する特許がちょっとした話題になっている。US Patent & Trademark officeで閲覧できる「Water-Based Data Center」と題した文書には、海上の沖合3~7マイル(約5~11kmくらい)に船を浮かべ、波の力で発電してマシンを動かし、淡水化した海水をマシンの冷却に使うという、エネルギー効率を高めたデータセンターの姿が描かれている。出願されたのは2007年2月26日だが、発見者が9月6日にスラッシュドットに書き込んで一気に知れ渡ったようだ。
データセンターのコンピューターはいくつもの運送用コンテナ内にラックマウントされて格納される。コンテナ自体はトラックで陸上輸送して、そのまま船に積み込めるという。
それにしても、なぜ海上に浮かべるアイデアが――? スペースがないから?というのは狭い島国的な発想に縛られすぎかもしれない。特許願に書かれた背景を読むと、どうやらユーザーの近くにデータセンターを移動して設置できる特性を重視してのことのようだ。たとえば災害や軍の出動時、あるいは一時的に人が集中してコンピューターのインフラ確保が必要になるような状況は、川や海などの水辺で起こる場合が多いらしく(本当かは不明だ)、浮かぶデータセンターであれば速やかに現地近くに構築できるというわけだ。
データセンターに不可欠な電力は、波力のほかにも、風力発電、潮力発電などが駆使される。また、船内の電源は、現在一般的な交流よりも効率がいい直流の利用が想定されている。得られるエネルギーはすべて無料の水由来で、汚染がない点も海上データセンターの利点の1つだとしている。
海上にぷかぷか浮いたデータセンターの絵面――。無機質なサーバールームのイメージとはひと味もふた味も違うのは間違いない。ぜひ見てみたいものだ。
