エントリー機とはいえ、十分な画質
画質に関しては、XやX2に比べて大きな差はないという印象だ。内部の画像処理が12bitになっているとはいえ、十分な階調性が得られるので、商業ベースでの使用にも耐えられるだろう。
また、感度を変えて3機種を撮り比べてみた(次ページ参照)が結構うまくノイズが補正されている。A4サイズ以上に伸ばすのでなければ、ISO 1600でも十分な画質だ。
やはりカギとなるのは価格
まだ発売されたばかりで値段がこなれてないため、ボディーのみの実売価格はX2とそれほど差がない。逆に旧モデルになってしまうが、XのダブルズームキットがFのボディ単体とあまり変わらずに入手できてしまう点が気になる部分だ。ただしXのレンズキットに付属する標準ズームは、手ぶれ補正機能がない点には注意が必要だ。
各社一眼レフ機の価格下落が著しい。ソニーα200、ニコンD60などは、すでにボディー単体で5万円を切る店舗も存在する。Kiss Fは現状で6万円台の値付けとなっており、現状で6万円台後半から7万円台前半のX2との価格差は少ない。他社でもライブビュー機能を持った同クラス機が発表されつつあるため、価格競争は進むだろう。Kiss Fが買いかどうかは、今後の価格推移に負うところが大きいだろう。
レンズキット付属の標準ズームは?
「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」は、手ぶれ補正付きで28.8~88mmの画角をカバーする使いやすいレンズだ。また、マクロ性能が良く、全域で25cmまで近寄れる。テレ端を使えば、だいたい名刺半分くらいの面積を画面いっぱいに写せる。
単体販売の定価は3万3000円だが、レンズキットにするとボディー価格に1万円プラスする程度で買える。買い得感の高いレンズだ。
写りに関しては、広角側の湾曲収差が大きい点が残念。望遠側の収差は少ない。ズーム全域でシャープな印象で、開放に近い絞り値でも十分なシャープネスが得られる。ただし、F16あたりからは、回折現象のため逆に甘くなるので、開放付近からF5.6かF8あたりまでが美味しいところだろう。