Service Pack 1(以下Vista SP1)が公開され、ようやく普及にも弾みが付いてきたWindows Vista。特にVista SP1については注目度も高く、ASCII.jpでも人気記事のひとつになっている。
Vistaでの注目すべき変更点について取り上げる連載企画「ここが変わったWindows Vista 100連発!」の掲載も、80回を越えていよいよ佳境に入ってきた。そこで今回は過去の連載の中から、特にユーザーが接する機会が多く、機能面でも大きく改良されたWindows Vistaの「エクスプローラ」に焦点を当てて、その改良点をまとめてみたい。
見た目から大きく変わったエクスプローラ
Vista 100連発は現在81回分が掲載されているが、エクスプローラについて解説した回は、そのうち9回分にも上る。初めて導入されたWindows 95からWindows XPまでは、ウインドウの見た目等を除けば大きな変更点のなかったエクスプローラだが、Vista全体のユーザーインターフェースの刷新にともない、エクスプローラも大きく変貌を遂げたためだ。
実際に長期間Vistaを使ってみると、新しいエクスプローラは従来のものよりも使いやすくなっているのが分かる。
まず見た目での大きな違いは、レイアウトだろう。XPまでのエクスプローラは、画面左にフォルダツリー、画面右に選択されたフォルダーの内容が表示される構成だった。それに対してVistaのエクスプローラでは、左側の「ナビゲーションペイン」にフォルダツリーだけでなく、任意のフォルダーへのショートカットを集めた「お気に入りリンク」(後述)が表示されている。
XP時代に左側に表示されていたタスク欄は、Vistaのエクスプローラでは「コマンドバー」として、常時表示されるようになった。コマンドバーに表示されるコマンドは、フォルダの種類によって変化する。
一方で、メニューバーはデフォルトでは表示されなくなった。また、ツールバーは存在しない。メニューバーはAltキーを押すと表示されるし、常時表示させる設定も可能だ。Internet Explorer 7も同様にメニューバーがデフォルトで非表示になっているが、マイクロソフトとしてはメニューバーよりも、コマンドバーや右クリックメニューを使ってほしいということだろうか。
デフォルトでは表示されていないが、選択中のファイルの中身をプレビュー表示する「プレビューペイン」機能も加わった。これを使うと、選択中の画像やテキストファイル、動画、HTMLの中身を、エクスプローラ上で選択するだけで表示できる。さらに、対応するアプリケーションがインストールされていれば、Officeの各種文書・ワークシートファイルやPDFファイルなども、プレビューペインで閲覧できる。ちょっとした参照程度ならアプリケーションを起動する必要もないため、なかなかに便利な機能だ。
また、エクスプローラの下側に表示される「詳細ペイン」は、XPまでのステータスバーの機能を拡張したものとなっている。画像やビデオファイルの場合は、サムネイルと共にファイルの詳細情報、例えば写真を撮影したカメラの情報やビデオのビットレートといった情報が表示される。従来型のステータスバーも機能としては残っているが、詳細ペインは同じ機能をより分かりやすく表示するので、こちらの方が使いやすい。