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JAXA筑波宇宙センター特別公開フォトレポート

アキバから45分の「宇宙旅行」

2008年04月23日 22時00分更新

文● 吉田/WEBアキバ編集部

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老雄H-IIが静かに余生を送るロケット広場

 さて、シャトルバスを降りたつと目につくのがロケット広場にあるH-Ⅱロケットの展示だ。H-IIロケットは、現在の主力ロケットH-IIAの前の世代のもので、ロケット全体の国産化を達成した機体で、日本のロケット技術においてエポックメイキングな存在なのだ。

 ただ、ここに置いてあるH-IIロケットは、開発試験などで使用された部品を集めて作ったものに、展示用のパーツを組み合わせた機体で、実際に打ち上げたものではない(当たり前だけど)。ただし日本国内ではロケットの実機の常設展示を行なっている場所はここだけで、さらにありがたいことにすぐそばまで近づくことができる。まさにロケットマニアには必見と言えるだろう。

ロケット広場に横たわるH-IIロケット

ロケット広場に横たわるH-IIロケット

ロケットエンジン噴射ノズル部分

ロケットエンジン噴射ノズル部分

H-IIロケットの解説

H-IIロケットの解説

エンジン部分の解説

エンジン部分の解説

必見!これが墜落したH-IIロケット8号機のエンジンだ

 1999年11月、運輸多目的衛星1号(気象衛星ひまわりの後継衛星)を打ち上げるために発射されたH-IIロケット8号機は、1段目エンジンの破損により軌道を外れ、地上からの指令で爆破された。機体の破片は小笠原諸島近海に落下し、その後、深さ3000メートルの海底から引き上げられたというものだ。このエピソードはNHKの番組「プロジェクトX」でも紹介されたことがあるので、知っている方もいるだろう。今回、会場ではエンジン部品など海底から回収された部品一式が展示されていた。これらエンジン部品が回収されたことで、失敗の原因が判明し、その後継のH-IIAへ活かされているとのことだ。

深海から回収されたロケットエンジンのノズル部分

深海から回収されたロケットエンジンのノズル部分

同じくロケットエンジンの各パーツ

同じくロケットエンジンの各パーツ

回収作業について説明した解説パネル

回収作業について説明した解説パネル

(次ページへ続く)

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