4月23日、フォーティネットは中規模向けのUTM装置「FortiGate-310B」を発表した。UTM(Unified Threat Management)は、ファイアウォールやアンチウイルス、IDS・IPS、VPNなど複数の機能を単体のハードウェアに搭載したセキュリティ機器。昨今、高いパフォーマンスを謳う製品が各社から次々と登場し、注目を集めている。
フォーティネットは、コンテンツレベルまで精査する独自ASICとソフトウェア「FortiOS」を搭載した各種UTM装置「FortiGate」シリーズと、最新の脅威に対抗するためのアップデートを提供するオンラインサービスを併せて提供している。
今回投入された「FortiGate-310B」は、10個のギガビットポートを搭載したモデルで、1つのAMC(Advanced Mezzanine Card)拡張スロットを持つ。製品の最大の特徴は、コスト対比のパフォーマンス。これは広帯域を必要とするマルチメディア系のアプリケーションが増えてきたためだという。標準で8Gbpsのファイアウォールスループット、6GbpsのIPsec VPNスループットを持ち、オプションの4ポートAMCモジュールを搭載することで、12Gbpsのファイアウォール、9GbpsのIPsec VPNスループットを実現する。ちなみにアンチウイルス動作時は160Mbpsとなっている。
このパフォーマンスを実現するため、FortiGate-310Bでは「FortiASIC CP6」と「FortiASIC NP2」という2つのASICを搭載した。前者はアンチウイルス、アンチスパイウェア、Webフィルタリングなどの高速に行なうASICで、全機種で搭載されているもの。後者はファイアウォールとVPN高速化の実現するプロセッサで、従来はFortiGate 1000A FA2以上で搭載していたものだ。この結果、1世代前のハイエンド機種をはるかに凌駕するパフォーマンスを可能にしたという。
同社では、インターネットの脅威を防ぐという使い方だけではなく、内部セキュリティの利用も提案していきたいという。製造業では、内部セキュリティに関心がある企業が多いため、同社ではこうした製品を訴求したいという。価格は148万9500円(初年度保守含む)で、2008年の第2四半期に出荷する予定。
