[特集] 自作PC中級者が“知ったか”はハズいぜ!【Vol.1】
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【CPU編】
2008年04月07日 18時42分更新
PCパーツ業界の動きはとにかく速い。ちょっとニュースから遠ざかっていると、あっという間に製品のラインナップが入れ替わっていたりする。そのおかげで、久しぶりにマイPCをパワーアップしようと思っても、今どんなパーツがあるのかとか、そのパーツがマイPCにも使えるのかわからず途方に暮れたことはないだろうか? そんな“頭の中はPentium 4やAthlon XPで止まっている”ような貴方に「今どきのPCパーツのトレンド」を解説しよう。コレを読めば、明日からアキバに行っても怖くないぞ。
どこから攻めるか、考えてみる
漠然とPCのパワーアップといわれても、どこから手をつけたらよいのか途方に暮れてしまうのが現実だ。“わからないからアキバのショップブランドで一台新調するか”という選択肢もあるが、ここは予算を抑えるためにも今のPCをなるべく活かす形でパワーアップさせてみたい。
そこで問題になるのが「どこから手を付けるか」だが、まずは最も分かりやすいCPUを突破口にして、そこからどういうパーツが必要になっていくのかを考えてみるといいだろう。という訳で第1回目は「最新CPU事情」をお届けしたい。
全般的なトレンド:デュアルコアが当たり前の時代に
さて、インテル&AMDの主力製品の解説に入る前に、最近のCPUの流行を知っておこう。
(1)シングルコアCPUは絶滅寸前
今のCPU市場の主力は、CPU2つ分の回路を1パッケージ化した“デュアルコア”CPU。今やローエンドのCeleronでさえもデュアルコア化されてしまい、シングルコアCPUの存在の方が珍しくなりつつあるほどだ。ゲームのようにデュアルコアを使い切れないアプリもまだまだ多いが、今はアンチウイルスや各種サービスの処理が背後で同時進行することが多い。今のCPUがシングルコアならデュアルコアCPUを導入する恩恵は十分にあるだろう。
さて、Pentium 4には1つのCPUなのに疑似的に2CPUとして扱える「Hyper Threading」と呼ばれるものが搭載されていた。デュアルコアCPUもOS側からは1CPUなのに2CPUに見えるという点では共通だが、両者の性能には大きな隔たりがある。Hyper Threadingはあくまでその時使ってない回路を2つめの処理に使う“片手間の作業”だけなのに対し、デュアルコアCPUはCPUコア1つが1つの処理を行なう。Pentium 4時代のHyper Threadingと現在のデュアルコアCPUでは、後者の方が圧倒的に性能が良くなるのだ。
(2)低消費電力&低発熱化が加速
CPUの動作クロックが上がれば上がるほど、CPUの消費電力や発熱も増える傾向にある。しかし最近は「速くても熱くない」ことを売りにすることで、ファンを強烈に回さなくても済むようになった。
特に最近では、半導体の製造プロセス(回路の微細さを示す数値)を小さくすることで、さらに消費電力を削減しようとする動きが加速している。より小さいプロセスで製造されたCPU(65nmより45nm)の方が発熱も低くなる。
(3)どんどん増えるコア数
前述の通り、時代はシングルコアからデュアルコアへ移った訳だが、最近ではさらに多くのコアを抱えたCPUも市民権を得始めている。その象徴といえるのが、インテルの「Core 2 Quad」やAMDの「Phenom X4」といったCPU。1個のCPU内部に4つ分のCPUコアが入っている「クアッドコア」CPUだ。
このCPUの利点はデュアルコアCPUよりも同時並行処理能力に勝る点にある。ただし、4つのコアに上手く仕事を分散できるよう、アプリ側もマルチコアCPU前提の作りになっている必要があることには注意! 使うアプリによってはデュアルコアと大差ない場合もままあるため、“クアッド=最速”という安易な発想は禁物だ。
(4)動作クロックではなく型番で判断する
以前はCPUの優劣は動作クロックで判別できたが、今のCPUは4ケタの数字+αの型番(プロセッサー・ナンバーやモデルナンバーと呼ばれる)で優劣がつけられている。型番の根拠はコア数や2次キャッシュ量はもちろん、細かな変更点で小刻みに変わるため、基本的に同メーカー&同ファミリーのCPUなら数値の大きいものが高性能・高付加価値と考えてよい。
この4つのポイントがわかれば、今のCPUのラインナップの把握は難しくない。それでは次に各CPUメーカーの製品の把握に移ろう。
(次ページへ続く)

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