[特集] 自作PC中級者が“知ったか”はハズいぜ!【Vol.1】
アキバで恥をかかないための最新パーツ事情【CPU編】
2008年04月07日 18時42分更新
AMD製CPU編:主力がAthlonからPhenomへ移行
AMD製CPUはCPUの世代ごとにソケット形状を更新してきた。現行のAthlon 64シリーズでもSocket 754→Socket 939→Socket AM2と3世代に渡っており、さらに最新のPhenomファミリーでは「Socket AM2+」に更新された。インテル製CPU以上にソケット形状に敏感という点にまず注意しておきたい。 CPUの型番(モデルナンバー)は4ケタの数字で、大きいほど高性能になる。しかし、Phenom X4シリーズとAthlon 64 X2シリーズの番号には関連性は全くない。また、製品名の末尾に「Black Edition」がついたモデルは、倍率変更が可能なオーバークロッカー向けの製品となる。
ネイティブクアッドコアを武器にしたPhenom X4シリーズ
現在のAMDのプラットフォーム戦略の中心的存在が昨年リリースされた「Phenom X4(登場当時は単なるPhenom)」だ。最大の特徴は4つ分のCPUコアを1つのダイ(シリコン)上に融合した“ネイティブ・クアッドコア”である点にある。インテルのCore 2 Quad/ExtremeはCore 2 Duoのダイを単純に2つ封入しただけであるため、設計の洗練度でいえばPhenom X4の方が進んでいる。
ただしCPUコアの設計自体はAthlon 64 X2シリーズから大きく変化していないため、コア1つあたりの処理性能や消費電力は残念ながらインテル製CPUにやや水を開けられている格好だ。 Phenom 9500や9600といった下位モデルなら実売価格で2万円前後と安く、手軽にクアッドコアCPUシステムが構築できるのがメリットだ。
ソケット形状はAM2だが、Phenom X4のフィーチャーに対応したソケットは「AM2+」と呼ばれる。AM2にも物理的に装着可能だが、マザーによっては起動しなかったり、動いても遅かったりするので注意が必要だ。
消費電力の低さを武器にしたAthlon X2
「Athlon 64 X2」「Athlon X2」シリーズは、Phenom X4登場によって主役の座を奪われたことで、そのままローエンド向けのCPUの座についた。この2つのCPUは基本設計が同じなため、動作クロックが同じなら性能も同一といってよい。ただしAthlon X2シリーズは同64 X2シリーズよりも発熱の少ない省電力モデルになっている。この2シリーズはSocket AM2を使う。前世代の939や754とは全く互換性がないので、こちらも注意したい。
編集部オススメのCPUはコレだ!
AMDのCPUならば「Phenom X4 9850 Black Edition」を迷わずオススメしたい。約3万円前後でクアッドコアCPUが入手できるうえに、倍率を変更してオーバークロックに挑戦できるあたりが、非常に自作マニアの心をくすぐる。さらに9850は、現在Phenom X4シリーズの最上位モデルであり、これが購入時の満足感を満たすという側面を持っている。
一方、世代交代でローエンドモデルとなったAthlonシリーズは、そのラインナップの多さが魅力だ。オーバークロッカーから静音マニアまで、幅広いユーザーのニーズに応えることができるのだ。Athlon系はユーザーの嗜好によって求めるCPUが違ってくるので、コレといったオススメ製品はないのだが、価格面でいえば1万円前後の「Athlon 64 X2 5200+」か、6000円前後の「Athlon 64 X2 4200+」が、自作PCやデュアルコア入門者向けの、お手頃CPUとなるだろう。
CPUは決まった。だがしかし……
Pentium 4時代と比較すると、今どきのCPUはそれほどクロックは高くない割に速く、発熱や静音性においてもさらに扱いやすいものになっている。
じゃあ早速アキバへGO!……という訳にはいかない。CPUを交換するにはソケット形状の一致のほかに、マザー側のチップセットやBIOSが新CPUに対応している必要がある。特に4、5年前でマイPCの時間が止まっているなら、マザーの買い替えも必須になるだろう。
という訳で次回は最新マザー(チップセット)のトレンドを解説しよう。
(次ページはCPU一覧表)
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