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サーバルーム不要! 日本HP、中小企業向けのタワー型ブレードエンクロージャを発売

2008年01月28日 20時32分更新

文● ネットワークマガジン編集部

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日本HPは、業界初となるタワー型のブレードサーバエンクロージャ「HP BladeSystem c3000タワーエンクロージャ」を発売した。

業界初となるタワー型エンクロージャ

 本日、日本HPが発表した「HP BladeSystem c3000タワーエンクロージャ」は、昨年発売されたエンクロージャ「c3000」を縦型にし、キャスターを取り付けたことで、より床置きに適した構成にするもの。標準価格は61万7400円からとなっている。c3000との価格差は、標準で搭載されているファンや電源ユニットによるものであり、同様の構成にすれば、価格も同じになる。搭載できるブレードサーバやモジュールは既存のエンクロージャと共通だ。

c3000タワーエンクロージャ

c3000タワーエンクロージャ

 c3000タワーエンクロージャのターゲットは、数台から10数台のタワー型サーバを持っているような中堅中小規模の企業や、より大規模なブレードサーバのシステムを所有している企業の開発部門など。前述のように搭載するブレードサーバは既存のエンクロージャと共通なので、たとえば試験環境ではc3000タワーエンクロージャに搭載していたブレードサーバを本番の環境用の大きなエンクロージャに搭載するといった移行作業も容易に行なえる。

 また、c3000タワーエンクロージャを用いて複数のサーバを集約することで、ケーブル接続の手間を大幅に削減することができる。運用に際しては、電源ケーブルとネットワークケーブルを接続するだけでよい。マシンのコントロールは、一般的なPC上のWebブラウザから、BIOSの設定変更や、電源スイッチの長押しによる強制電源オフなど、すべての動作を行なうことができる。

c3000前面。最大で8台のサーバブレードを収容可能

c3000前面。最大で8台のサーバブレードを収容可能

c3000背面。電源ケーブルとネットワークケーブルを接続すれば、運用できる

c3000背面。電源ケーブルとネットワークケーブルを接続すれば、運用できる

ユーザーの声を反映させたc3000タワーエンクロージャ

 日本HPにとって、中堅中小規模の企業はこれまで充分にリーチできていない市場である。そのため同社は、販売パートナー企業と協力しユーザーの意見を集め、c3000タワーエンクロージャへと反映させている。同社は、中堅中小企業でもブレードサーバの必要性を感じている企業はあるものの、さまざまな理由により導入に至っていないと指摘する。

 その理由としては「ブレードサーバのシステムは大きすぎる」、「AC200ボルトの電源を準備できない」、「価格が高い」といったものが挙げられる。これに対してc3000タワーエンクロージャは、以下のように対応している。

 大きさについては、c3000タワーエンクロージャは筐体がフルタワー型のサーバとほぼ同一であり、そこに8台分のブレードサーバが搭載できるようになっている。その結果、タワー型サーバ8台と比較すれば、設置スペースは約4分の1で済む。

 またc3000タワーエンクロージャは、従来のものより効率の高い電源ユニットを採用することで、一般的なAC100ボルトの電源を用いた場合でも、クアッドコアCPUを2個搭載したブレードサーバを、上限の8台まで搭載できる。

 タワー型やラックマウント型と比較して、価格が高いというイメージのあるブレードサーバだが、日本HPでは「<BLADE 3.0>ありがとうキャンペーン」を展開中(2008年3月28日まで)であり、サーバブレードを2台購入することで、c3000タワーエンクロージャを210円で購入できるようになっている。そのほか、追加のサーバブレードやオプション製品も30%引きで提供されるため、4台以上購入するのであれば、タワー型やラックマウント型よりもブレードサーバのほうが低価格になるという。またブレードサーバならではの管理性の高さや省スペース性を考慮すると、TCOの面でもブレードサーバに優位性があることが理解できるだろう。

日本HPエンタープライズストレージ・サーバ事業統括ISSビジネス本部プロダクトマーケティング部 山中伸吾氏

日本HPエンタープライズストレージ・サーバ事業統括ISSビジネス本部プロダクトマーケティング部 山中伸吾氏

 発表を行なった山中伸吾氏は、「これまで、企業のシステム拡張はタワー型、ラックマウント型、さらに台数が増えてきたらブレードサーバという流れがあった。c3000タワーエンクロージャにより、初めからブレードサーバを選択できるという意識改革を訴えていきたい」と語り、販売パートナー各社を通じて、c3000タワーエンクロージャの普及を図るとした。

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