「Wikipedia」(ウィキペディア)の創始者であるジミー・ウェールズが創立したWikia(ウィキア)が、オープンソースの検索サービス「Wikia Search」のα版を7日に公開した。さまざまなユーザーから期待と注目を集めていたWikia Searchだが、いざ蓋を開けてみると、その「検索精度の低さに失望した」という声が大半だった。
だが、一部の企業がシェアーを独占する現在の検索業界を危惧する人々がオープンソースの検索エンジンに対する期待はなおも大きい。最初はクオリティーの低かったWikipediaが、徐々に有益なネットの情報源になっていった経緯を見ると、Wikia Seachも全く見込みのないものではなさそうだ。Wikia Searchは果たして成功するだろうか? 検索業界の動向やWikia Searchの特徴を見ながら、成功の可能性を検討してみよう。
検索にオープンソース化が求められる背景
誰もが検索を使い、まだまだ改善の余地があると思っている一方で、「お気に入りの検索エンジンからほかに乗り換えよう」とはなかなか考えていないものである。
「Google」や「Yahoo!」などすでに定評ある検索エンジンが激しい競争を繰り広げている中で、なぜWikia Searchが注目されているのだろうか? もちろん、より高い精度の検索が求められていることもあるが、現在の検索業界に対して不安を抱く人々が少なからず存在することも大きな理由なのではないだろうか。
長らく「検索のアルゴリズム」にはユーザーから疑問が投げかけられてきた。「自分の求めている結果と違う」「なぜか検索に引っかからないサイトがある」「スパムのようなサイトが結果の上位にランクされている」──などなど。
例えば、GoogleやYahoo! JAPANで「初音ミク」を画像検索しても結果に出てこないことが大きな話題になったことを記憶している読者も多いだろう(関連記事)。これは「技術的な問題」ということで一応の決着を得たが、検索結果が「運営する企業によって恣意的にランク操作されているのではないか」という懸念を持つユーザーは常に存在する。これが一部の企業によってシェアーが独占されることを危ぶむ声につながっている。
つまり「オープンソースだったら公平性が保てるのではないか」というのがWikia Searchが注目される主な理由だ。
