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動画編集ソフト

レビュー:Final Cut Express 4

2007年12月28日 08時30分更新

文● 斎賀和彦

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凝った動画編集を実現する機能たち


 iMovie '08が撮りためた動画の閲覧を楽しめるビューアー的側面を持つソフトであるのに対し、本製品は作品づくりを前提に編集を楽しむFCP譲りの本格派ソフトだ。CPUやメモリー条件さえ揃えばエフェクトはリアルタイム処理できる点や、新搭載のものを含めた各機能の充実ぶりからも、それがわかるだろう。

 本バージョンで扱えるようになったAVCHDフォーマットはFCP同様「切り出しと転送」で取り込む。

AVCHD取り込みの専用ウィンドウ

AVCHD取り込みの専用ウィンドウ。FCP 6.0.2で対応した横1920ドットのAVCHDファイルもサポートしている

ただし、コーデックが「AIC」限定で、そのクオリティーとレンダリング耐性で注目を集める「Apple ProRes 422」を使えない。これがFCPとの最大の相違点だが、通常の用途であれば、両者の画質の差を感じることはないためAICで十分だろう。

 新機能の中でも特に、コーデックやSD/HDなど解像度の異なる素材を同一タイムラインに混在できるオープンフォーマットタイムラインがいい。

オープンフォーマットタイムライン

オープンフォーマットタイムラインでは、コーデックの異なるファイルを混在したまま表示/編集できる

家庭用ビデオフォーマットが乱立する現在、その違いを意識することなく混在編集できるのは専門知識を持たないアマチュアにとっても大きなメリットだ。

 ほかにも、iMovie '08プロジェクトの取り込み対応、エフェクトの多彩なバリエーションなど、強力な機能が惜しげもなく搭載され、実用度の高い編集ソフトに仕上がっている。

Live Type

プリセットの組み合わせにより、ユニークで凝ったタイトルワークを簡単に作成できる「Live Type」が付属している。連携時の使い勝手もいい

iMovie '08プロジェクトの読み込み操作は簡単だが、トランジションがすべてディゾルブになり、サウンドトラックが書き出されない

エフェクト

FCPと共通のさまざまなエフェクトを搭載。iMovie '08では色調整以外のエフェクトを割愛しているので、派手なエフェクトのためにFCEを選ぶのもありだろう


【Conclusion】
○  放送/業務用のハイエンドな機能こそ割愛されているものの、FCP譲りの高度な機能と操作性はホビーだけでなく、通常の業務用途でも使える本格仕様だ。

×  Apple ProRes 422コーデックを扱えないため、FCPの代用としては運用できない。AVCHDを扱うにはインテルCPU搭載のマシンが必要。

(MacPeople 2008年2月号より転載)


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