凝った動画編集を実現する機能たち
iMovie '08が撮りためた動画の閲覧を楽しめるビューアー的側面を持つソフトであるのに対し、本製品は作品づくりを前提に編集を楽しむFCP譲りの本格派ソフトだ。CPUやメモリー条件さえ揃えばエフェクトはリアルタイム処理できる点や、新搭載のものを含めた各機能の充実ぶりからも、それがわかるだろう。
本バージョンで扱えるようになったAVCHDフォーマットはFCP同様「切り出しと転送」で取り込む。
ただし、コーデックが「AIC」限定で、そのクオリティーとレンダリング耐性で注目を集める「Apple ProRes 422」を使えない。これがFCPとの最大の相違点だが、通常の用途であれば、両者の画質の差を感じることはないためAICで十分だろう。
新機能の中でも特に、コーデックやSD/HDなど解像度の異なる素材を同一タイムラインに混在できるオープンフォーマットタイムラインがいい。
家庭用ビデオフォーマットが乱立する現在、その違いを意識することなく混在編集できるのは専門知識を持たないアマチュアにとっても大きなメリットだ。
ほかにも、iMovie '08プロジェクトの取り込み対応、エフェクトの多彩なバリエーションなど、強力な機能が惜しげもなく搭載され、実用度の高い編集ソフトに仕上がっている。
【Conclusion】
○
放送/業務用のハイエンドな機能こそ割愛されているものの、FCP譲りの高度な機能と操作性はホビーだけでなく、通常の業務用途でも使える本格仕様だ。
×
Apple ProRes 422コーデックを扱えないため、FCPの代用としては運用できない。AVCHDを扱うにはインテルCPU搭載のマシンが必要。
(MacPeople 2008年2月号より転載)