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「企業の社会的責任を踏まえた業務継続対策を」――サイベースが障害対策ソリューションを発表

2007年11月29日 20時54分更新

文● アスキービジネス編集部

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サイベース株式会社は11月29日、都内で記者会見を開き、災害やシステム障害発生時に業務継続を行うためのソフトウェア製品「Mirror Activator」と「ディザスタ・リカバリ・パッケージ」の2製品を発表した。


ITシステム停止のリスクを回避する


「これまでディザスタリカバリといえば、事業停止に伴う自社の損害をいかに食い止めるかという動機か、公共サービスにおける行政からの義務付けのために導入するという動機でばかり考えられてきた。しかし、今後は企業の社会的責任の観点から、リスク管理の範囲を拡大すべきだ」

 サイベース マーケティング本部長 富樫明氏は、会見の冒頭でこのように述べ、現在多くの企業が行っているBCP(事業継続計画)のあり方に疑問を投げかけた。富樫氏は中越地震の際に、自動車部品を製造するリケンの工場がストップした結果、国内の多くの自動車メーカーに影響を与えた事例を挙げ、「自社のシステムに障害がでたときに、サプライチェーンの中で取引先や消費者などがどれほどの影響を受けるかを検討すべき」と語った。

サイベース マーケティング本部長 富樫明氏

サイベース マーケティング本部長 富樫明氏

 このように企業のITシステム停止によるリスクが大きくなる中、サイベースが今回発表したのは、同社のデータベースプラットフォーム「Sybase Adaptive Server Enterprise」上で、災害やシステム障害などによってサービス停止させないためのソフトウェア「Mirror Activator」と「ディザスタ・リカバリ・パッケージ」の2製品。

 2製品はディザスタリカバリの要求基準となる目標復旧ポイント(Recovery Point Objective・RPO)と目標復旧時間(Recovery Time Objective・RPO)という2つの指標の面で差別化される。RPOは障害発生時にどの地点のバックアップから復旧が図れるかという指標で、RTOはサービスが停止してから復旧までにかかる時間を表す指標。

 Mirror Activatorは、RPOで一切のデータを失わないことを実現し、RTOで2分未満というきわめてシビアな要求基準を満たし、ディザスタ・リカバリ・パッケージはRPOが2分未満でRTOが60分未満となる。

 サイベース セールスエンジニアリング部 花木敏久氏は「従来、企業がディザスタリカバリに備える際には、ストレージベンダーが提供するデータレプリケーションサービスを利用して、データベースを丸ごとコピーする手法がとられていた。しかし、この手法ではコストが高くつき、データベースの観点からでは完全なバックアップが取れない」と話す。

サイベース セールスエンジニアリング部 花木敏久氏

サイベース セールスエンジニアリング部 花木敏久氏

本日発表された2製品では、稼動しているストレージのトランザクション・ログを元に待機系のストレージ上にデータベースを構築する「非同期型トランザクション転送方式」を採用している。この方式は、データベースそのものを転送するのにくらべ、転送量も少なく、データベースレベルでのより厳密なバックアップが可能になるとしている。

 Mirror Activatorの価格は1CPUあたり1462万5000円、ディザスタ・リカバリ・パッケージは1CPUあたり389万9000円。提供開始は12月5日を予定している。

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