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HPの35周年記念・ポケット電卓で考える

ユーザーインターフェースの深いところ(後編)

2007年11月23日 17時00分更新

文● 遠藤諭

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統一した操作感と、特化した操作感


 日本のケータイが海外のものと操作性が異なる理由は何だろうか。それは、海外ケータイが「GSM」とその延長にあるからなのだろう。GSM(Global System for Mobile Communications)は、日本と韓国以外の世界中で普及した携帯電話の通信方式だが、端末ではなくSIMでユーザーを識別している点が大きな特徴だった。

GSM携帯電話機の操作性は、10年前のモノでも現在のモノと基本的な部分は変わらない

 SIMを差し替えて、ほかの端末も使うという利用形態から、おのずと端末の操作性にも統一感が出ていたわけだ。日本は「そのGSMの文化と接触がなかっただけだ」という見方もできる。しかし、それだけが日本のケータイの操作性が世界と異なる理由ではないような気がしてならないのだ。

 あるところで、「日本で、RPN電卓が普及しなかった理由はなにか?」という話をしたら、「日本人は、答えさえ出ればよくて、答えの出方には興味がないんじゃないか」と答えた人がいた。

 「オープンソースの世界などで、日本が新しいフレームワークを提案することが少ないのも同じところに理由があるのではないか」とも言われた。それは、得意不得意なのか民族的な傾向なのかは分からないが、とにかく日本人は「しくみ」ということに興味が薄いのではないかというのだ。

 そんなこともあり、発売になったRPN電卓の最新モデル「HP-35s」を試してみるのはいかがだろう? 「どうしても使えない」と感じるか? 「これしかないじゃん」と感じるか? あなたはRPN電卓のとても合理的だけれど、ちょっと理屈っぽいユーザーインターフェースになじむだろうか? ちなみに「HP-35s」は設定でふつうの電卓の操作性でも使えるようになっている。

 なお、RPN電卓についてはブログ「東京カレー日記」の「人間よりも計算時間のかかる電卓」もご覧アレ。

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