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大阪と沖縄のチームがグランプリを獲得

電脳高校生がぶつかり合う!「パソコン甲子園2007」開催

2007年11月14日 12時30分更新

文● 編集部 広田稔

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強豪の高田高校をいかに倒すか


 プログラミング部門では、実は前評判の高い強豪があった。昨年の優勝チームである、三重県にある高田高等学校の「貫綜縷練」(かんそうるれん)チームだ。

 貫綜縷練のメンバーは、片岡俊基くん(3年)と古橋正樹くん(2年)の2人。昨年は「Integral」というチーム名で出場し、15問中14問を解いて450点を獲得。2位に160点の大差をつけて優勝していたのだ(関連記事)。

 さらに今年の予選も、2位に24点差を付ける71点の得点を上げて、ぶっちぎりの1位で通過していた(関連リンク)。要するに、注目度ナンバーワンの優勝候補だったわけだ。

貫綜縷練

貫綜縷練チームの片岡俊基くん(左)、古橋正樹くん(右)。片岡くんは今年の国際情報オリンピックにて金メダルを獲得する人物だ

 今年の本戦でも貫綜縷練の独走状態なのかと筆者も注目していたが、「抜きつ抜かれつ」の非常に面白い展開となった。その様子を、スクリーンに示された得点状況グラフで追ってみる。

 ちなみにプログラミング部門では、問題を解くとそのチームの机の脇に得点に応じた色の風船が置かれ、会場正面のスクリーンに現在の合計点数が表示される。風船とスクリーンを見ていれば、水面下で繰り広げられるデッドヒートが分かるのだ。

30分

開始30分後の得点状況。棒グラフのうち、黄色が50点、緑が20点、白が15点の問題を解いたことを表わしている。この時点では兵庫県長田高等学校の「nagatist」チーム(グラフのP21)が1位で、貫綜縷練(P01)は2位

2時間

開始2時間後の状態。貫綜縷練(P01)が310点で1位を奪取。nagatist(P21)が2位に下がり、3位には大阪府立工業高等専門学校「あたいったら最強ね」チーム(P07)が上がってきた

3時間30分

終了30分前の様子。あたいったら最強ね(P07)がトップに上り詰めた。2位の貫綜縷練(P01)との差はわずか15点。この時点では、岩手県の一関工業高等専門学校「Snowdrop」チーム(P15)が3位だ

トップの風船

暫定のトップのチームの脇には、大きな金色の風船が置かれる

 結果は、前ページでもお伝えしたように、大阪府立工業高等専門学校「あたいったら最強ね」チームが15点差でグランプリを獲得した。チームのメンバーである浜田悠樹くん(3年)と岩見宏明くん(3年)に話を聞くと、「この本戦のために、2週間前からパソコン甲子園の過去問を解いて特訓してきた」とのこと。彼らは「貫綜縷練チームが1位だろうから、がんばって2位をとろうと考えていた」と謙遜していたが、結果的に激戦を制してチーム名通り最強となったわけだから「お見事!」と言えるだろう。

 ちなみに次ページでは、難易度が最も高かった80点問題をオマケとして公開しているので、プログラマーの方はぜひチャレンジしてほしい

あたいったら最強ねチーム

「あたいったら最強ね」チームの浜田悠樹くん(左・3年)と、岩見宏明くん(右・3年)



刺激的な作品が揃ったコンテンツ部門


 一方のコンテンツ部門だが、発想をストレートに表現した、刺激的な作品が出揃ったと感じた。中でもグランプリと準グランプリの作品は、審査員を「おっ」と言わせるような作画が秀逸だった。

コロタのゆめさがし

グランプリの沖縄工業高等専門学校「OSO」チームのアニメーション作品「コロタのゆめさがし」は、2Dオブジェクトの配置に奥行きを持たせて、3Dのように見せる表現手法を用いた

ねむらないアリンコが忘れたもの

準グランプリとなったのは、兵庫県立姫路工業高等学校「なるいも」チームのアニメーション作品「ねむらないアリンコが忘れたもの」。水彩画のようなタッチが印象的だ

OSOチーム

グランプリを取った沖縄工専「OSO」チームの、安里高祐くん(左・2年)と、渡嘉敷拓馬くん(右・2年)


(次ページに続く)

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