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これから伸びる!? 新技術

ケータイに3Dコミュニケーションの波がやってきた

2007年09月21日 23時00分更新

文● 吉川大郎(編集部)

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月刊アスキー 2007年10月号掲載記事

セカンドライフの登場で俄に注目を集め始めた3D仮想空間だが、その波はケータイデバイスにも訪れている。ソフトバンクモバイルの「S!タウン」がそれだ。ユーザーは、仮想の世界S!タウンの中で、広場に行ったり、ゲーム、買い物などをしながら、他人とのコミュニケーションを楽しむ。対応機種が91x、81x以降の3G携帯となっていることもあってなのか、昨年9月の発表から1年近く経った今でもそれほど話題には上ってこない。しかし実はコレ、ケータイ画面が3D化する前兆とも見て取れるため、注目したい。単にケータイで3D仮想空間サービスが始まった、というだけならば、「ああ、最近のケータイは機能が向上しましたね」と言ってお終いなのだが、S!タウンの裏側では、さまざまな企業が3D仮想空間サービスを開始できる「仕組み」が動いているのである。

ケータイの3D仮想空間

ソフトバンクモバイルの「S!タウン」。左の街角は「S!タウン」の中の「カルチャータウン」。S!タウンは中央広場が中心になり、そこにカルチャータウンをはじめ4つのタウンを抱えている。

ケータイの3D仮想空間

ソフトバンクモバイルの「S!タウン」。左の街角は「S!タウン」の中の「カルチャータウン」。S!タウンは中央広場が中心になり、そこにカルチャータウンをはじめ4つのタウンを抱えている。

ケータイの3D仮想空間

ソフトバンクモバイルの「S!タウン」。左の街角は「S!タウン」の中の「カルチャータウン」。S!タウンは中央広場が中心になり、そこにカルチャータウンをはじめ4つのタウンを抱えている。

ソフトバンクモバイルの「S!タウン」。左の街角は「S!タウン」の中の「カルチャータウン」。S!タウンは中央広場が中心になり、そこにカルチャータウンをはじめ4つのタウンを抱えている。

その仕組みの名前は「eXplo」。技術的な用語で言えば、「3D仮想空間サービス用のプラットフォーム」ということになるが、簡単に言うと、eXploは3D仮想空間サービスに必要な、3D描画エンジンやメッセージングといった基本的な機能を備えている。そのため個々の企業は、デザインだったり付加的な機能のみを開発すればいいのだ。eXploの開発元であるジェミナイ・モバイル・テクノロジーズのホームページに行くと、S!タウンとは似ても似つかない、リアル指向のアバター(自分の分身キャラ)が3D仮想空間に佇むデモが見られる。今後、ケータイで3D仮想空間サービスは流行するのだろうか?ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズの代表取締役マイケル・ツォー氏は「海外でも3D仮想空間サービスの相談を受けています」と言う。ツォー氏は3Dそのものの利点も語ってくれた。「3Dは画面が大きく見えます。奥行きがありますからね。2Dのページに比べたら、表示できる情報量が多くなるわけで、これは広告ビジネスにも有効だと思いますよ」。

3D仮想空間サービスの世界は、まだまだ始まったばかり。トップになれる可能性は、まだ誰にでもある。

マイケル・ツォー氏写真

ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズ代表取締役マイケル・ツォー氏。

ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズ代表取締役マイケル・ツォー氏。同社の創業者の1人でもある。ゼロックスのパロ・アルトリサーチセンター、インテルなどに勤務。ジェミナイにはほかに、写メール開発者の太田洋氏も創業者として加わっている。

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