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人はその顔において「汝、殺すなかれ」と訴える

境目の問題は仮想世界で解決しろ!――『ヴィクトリア~太陽の沈まない帝国』対戦記(1)

2007年09月11日 22時00分更新

文● スノッブ大尉

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 ○月×日、わがWEB.ASCII編集部は、国境を接する月刊アスキー編集部から小包を受け取った。それには「我々はいまここに“埋めがたい溝”を意識している。その溝はITとビジネスのギャップよりも広い。今こそ雌雄を決するべき時だ」という短いメッセージが付けられていた……。

 境目──ああ、なんと悩ましい言葉だろう。

 自我と自我が対峙する場所、そこには常に軋轢が生じる。この深淵かつ埋めがたい溝の深みにしばしの妄想を巡らしながら、私は今ここに2つの編集部の領土問題が最終局面に達したことを実感した。

 月刊アスキーよ、かつて同じ釜の飯をともにした同士と相対峙することは私にとって本意ではない。

 原因は何なのだ? うちの編集部(主にアキバ班)のほうから夜な夜な「萌え~」とか「おっ○い」とか絶叫している声が飛んで行っているからか。編集K村がどこからか入手してきたラジコンヘリがノーコンになって領空を侵犯したからか。それとも、校了直前で船を漕ぎかけてるN西君の真後ろで、これ見よがしに「サーコウっ」と叫びながら、新兵訓練していたがためか。

 そんな些細な理由で“宣戦布告”とはあまりに、短絡的過ぎる行為ではあるまいか。戦争というのは国家の威信を大いに傷つけるものなのだよ。そのことを知れ。



君はヴィクトリアを知っているか?


 『ヴィクトリア 太陽の沈まない帝国』というゲームを知っているだろうか? スウェーデンのParadoxが開発した戦略シミュレーションゲームのことだ。日本語版はサイバーフロント(株)が取り扱っており、拡張シナリオの“ヴィクトリア レボリューション”とセットにしたパッケージが販売されている(価格は6825円)。

トップ画面
ヴィクトリア・レボリューションのトップ画面

 舞台は19世紀(1836年から1920年、拡張パックの追加で1935年に伸びる)。自由主義とナショナリズムの台頭、市民革命、列強による植民地争奪戦、そして第一次世界大戦の勃発と、世界史が大きく揺れ動いた激動の時代である。

 各プレーヤーは、実在する国家(イギリスやプロイセン、もちろん日本も選べる)を選択。産業基盤を整備しながら、植民地も支配し、国内のさまざまな問題にも対処していく。その国の政治から経済から軍事から外交までを一手に引き受けて、国家の“経営”を行なう──というのがこのゲームの主旨である。

 ヴィクトリアには一応の目的が設定されている。

 工業力、軍事力、そしてその国家の威信――その国のメンツみたいなモノだ――を総合的に高めて、列強の仲間入りを果たすというものだ。

ゲーム画面

 しかし、このゲームの本当の目的はそんなものじゃない。プレーヤーに求められているのは、理想的な国家のヴィジョンを描き、その理想に向けて国を富まし、時には戦争で身を削りながら、あるべき国家の姿を追求することである。

 あるものは敵国を倒し、世界に覇を唱えることを目指すかもしれない。しかし、それがすべてではない。明治維新前の日本を選択し、ものづくり大国を目指す。侵略と併合の波に飲まれる弱小国家に肩入れして、その存続を図る。ヨーロッパを縦断する鉄道網を敷く……。そんな理想もまたこのゲームを進めていく上での立派な目的になるのである。

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